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2008年05月14日(水) 12時28分

総連事件、公安調査庁元長官ら14時初公判 “有力OBvs検察”全面対決へ産経新聞

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の不動産や資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)被告(73)と、元不動産会社社長、満井忠男被告(74)の初公判が14日午後2時から、東京地裁(林正彦裁判長)で開かれる。両被告とも起訴事実を否認する見通しだ。検事長まで歴任した元検察OBが、朝鮮総連を相手に詐欺を行ったとされる異例の事件の公判が幕を開ける。

 両被告は、購入代金35億円を提供する投資家がいるかのように装い、中央本部の所有権登記を移転してだまし取った「不動産詐欺」と、実体のない事業の違約金名目で総連から4億8400万円を詐取した「金銭詐欺」−の2件で起訴された。

 この日の初公判では、罪状認否から検察、弁護側双方の冒頭陳述、公判前整理手続きの結果陳述まで行われる予定。次回以降、具体的な審理に入る。公判は来年3月までに36期日が指定されており、総連関係者や捜査当局に対する証人尋問や、被告人質問が予定されている。

 最大の争点は、両被告に総連側をだます意思があったか否か−という点だ。 両被告とも、公判前整理手続きで否認する方針を示している。不動産詐欺の共犯として起訴され、分離公判が進んでいる元信託銀行員、河江浩司被告(43)も「だますつもりはなかった」と犯意を否認している。

 一方、検察側は、河江被告の初公判で総連側の被害感情を指摘し、さらに緒方、満井両被告が東京・六本木のビルの地上げにからみ、資金を調達する目的で犯行に及んだとする構図を詳述。今回も同様の主張をするとみられる。

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