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2008年05月14日(水) 15時01分

<PCI詐欺>国に提出の書類改変 捜査直前に隠ぺい毎日新聞

 国が中国で進める遺棄化学兵器処理事業を巡る詐欺事件で、大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)の幹部らが、国に提出した書類を書き換えたり、電子データを消去するなどの隠ぺい工作をしていたことが分かった。東京地検特捜部は、不正な水増しを認識していたことを裏付ける事実とみて、前社長の多賀正義容疑者(62)らを追及している。

 PCIは事業の一部を下請け会社の社員にも行わせていたが、多賀容疑者らはPCIの社員と偽った経歴書を国に提出。PCI社員だけに認められる技術経費などを上乗せした人件費を請求し、国から約1億4100万円を詐取した疑いが持たれている。

 関係者によると、PCIは昨年10月に東京地検特捜部の捜索を受ける直前、国に提出した虚偽の経歴書を書き直し、PCI社員ではなく元通りの下請け社員の身分に戻していたという。特捜部が同社から押収した経歴書と、国に提出された経歴書を突き合わせて、書き換えが発覚したという。

 さらに、水増し請求に関する資料を社員の自宅に隠したり、社内のコンピューターに保存されていた電子データを消去するなどの行為があったことも判明し、特捜部は組織的な証拠隠滅工作が行われたとみている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080514-00000053-mai-soci