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2008年05月14日(水) 16時05分

渋谷駅前に「女の味方」 勝負?前に「変身ルーム」朝日新聞

 渋谷駅から徒歩1分。ビルの中にできた女性の「変身」部屋が話題になっている。パウダールーム「COS−Pa(コスパ)」(渋谷区渋谷1丁目)。化粧品や巻き髪用のコテも借りられる小部屋だ。アフター5のOLや、就職活動中の学生がここで着替えや化粧を直して、シブヤの街に「勝負」に繰り出していく。

2人用の部屋ではゆったりとメークができる=9日午後7時、渋谷区渋谷1丁目

 金曜日の午後6時過ぎ。明るい店内は、マニキュアやアイシャドーのカラフルな色があふれている。9部屋に仕切られ、一番小さい約1.2平方メートルの部屋は、30分で525円(税込み)。この値段で1ドリンクがつき、巻き髪用のコテやブラシ、洋服用のアイロン、携帯電話の充電器や香水が使える。別料金を払うと、数十種類ある化粧品から好きなものを選んで使える。ストッキングやアクセサリーの販売もしている。

 1室から、ワンピース姿の女性が笑顔で出てきた。区内にある青山学院大学3年の女子学生(20)だ。この日は、ヘアメークができる店員に髪をコテで巻いてもらい、マニキュアを塗った。30分のルーム料金とネイル料金に割引券を使って714円。

 「遊びに行く前に手ぶらで寄れて楽。ここでは、変身も気持ちのリセットもできる」とウエーブがかった髪を揺らした。「渋谷に多いギャルはこだわりを持ってメークしてるから、渋谷の街にはちょうどいいと思う」

 短大生の2人組が入ってきた。雑誌で知り、どんな店か見に来たという。「静かだから、疲れて座りたくなったら喫茶店よりいいかも」「ストッキングも売っていて便利。料金も安い」と話しながら部屋の様子を見ていた。

 コスパは今年の3月3日にオープンした。店主は美容室経営の女性。着替えや化粧直しの場に利用されるトイレは、混雑していたり、汚れていたりと不便なことに目をつけた。「買い物途中にほっと一息ついたり、化粧直ししたりできる場所をつくりたい。女性が美しくなるのはトイレではないはず」という提案に、コンサルタント会社「オリエンタル」(渋谷区)が起業を支援した。

 実際に、利用者は、遊びに行く前や就職活動の面接前の学生のほか、デート前に着替えたりメークをしたりするOLが多い。卒業式に、母と娘が一緒に着物の着付けを直しに来たことも。インターネットの無線LANを完備しているため、パソコンで仕事をする人や、営業職で時間が空いたときにメールチェックに来る人もいる。お茶を飲んでの休憩や昼寝も可能だ。

 最近は「男性用もつくってほしい」という声もある。オリエンタルは「部屋の使い方の可能性が広がっている。今後は銀座や新宿など別の駅にも広げたい」という。

 午前10時〜午後10時。電話は、03・3797・3996。(大井田ひろみ)

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