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2008年05月13日(火) 17時02分

深層・真相:カニ商法に注意 電話で購入は慎重に /熊本毎日新聞

 ◇異なる内容、着払い送りつけも
 高齢者宅などに、頼んでもいないズワイガニやタラバガニが着払いで送りつけられたり、しつこく購入を勧められた末に買わされたなどの相談が、県消費者生活センターに相次いでいる。カニ販売を巡る相談は06年度が2件、昨年度が10件だったが、今年度は4月からの1カ月余で17件に上り、このうち代金を支払った人も4人いた。センターは警戒を呼び掛けている。【遠山和宏】
 センターによると、「旬のカニを大安売りしています。3万円のカニを1万円でお売りします」などの勧誘電話の後、送りつけられることが多い。本人が「購入に合意していない」と主張するケースも目立つという。
 カニなどの海産物は「特定商取引法」の指定商品に入っていないため「8日間無条件で返品可能」というクーリングオフ制度が使えず、電話口でも購入意思を示すと、原則として契約が成立する。購入の意思を示していない場合は代金を払わずに返品すればいい。
 「1、2キロあると言われたのに、届いたカニの中身はスカスカだった」「帆立てをサービスでつけると言われたのに、きたのはサンマの昆布巻き」など商品内容が電話の説明と異なる場合も多い。送られてきた品の中身が明らかに異なる場合は異議申し立てできるが、味など主観的な要素に関しては、申し立てが認められるかどうか難しい。
 40代後半の女性は「おいしくなかったら、返品してもいい」と言われて注文し、カニが届いた時点で1万4000円を払った。ところが、女性によるとカニはやせ細り、身もあまり詰まっていなかったという。この場合、業者の説明内容の立証責任は被害者にある。
 勧誘電話なしに商品が送られてくるケースもある。山鹿市の女性(76)には4月18日、内容物の書かれていないない荷物が突然、北海道から2万円の着払いで送られてきた。不審に思い、受け取り拒否して送り返したところ、送り主の業者から電話で「注文のカニを送った。なぜ、送り返すんだ」と逆に責め立てられたという。
 センターによると、カニに関する相談は全国でも一昨年の約100件が、昨年は約500件に増えている。センターは、電話で購入する場合、期待する商品か確かめるのが難しいため「慎重に購入するように」と話し、身に覚えのない商品が届いたら「受け取り拒否」や「着払いで返品」するよう呼びかけている。センターは096・354・4835。

5月13日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080513-00000301-mailo-l43