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2008年05月13日(火) 16時47分

<生きテク>「自殺しなくて済む」サイトが月10万PV 死にたい悩み、回避の実例紹介毎日新聞

 ◇オキタさんらZERO実行委「生きる方法の蛇口に」 自殺の手段を紹介するインターネットのサイトが無数にあふれる中、「自殺しなくて済む方法」を提示するサイトがある。その名も「生きテク」(http://ikiteku.net/)。渋谷区でデザイン会社を経営するオキタ・リュウイチさん(32)と仲間でつくる「自殺ZEROキャンペーン実行委員会」が昨年9月に開設した。10日には杉並区と連携し、JR阿佐ケ谷駅前で自殺防止アピールをする。【真野森作】

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 オキタさんは99年、「キレる17歳」とレッテルを張られていた高校生世代に向けて、「100個いいことをしたら願いがかなう」との触れ込みで「いいこと」をシールで記録する「ヘブンズパスポート」を考案・販売しブームを起こした。

 その後はデザインの仕事を順調に続けていたが、重いうつ病に見舞われ、再び社会にかかわる事業を模索。国内の自殺者が年間3万人を超える現状を変えようと、昨年3月に手弁当で実行委を設立した。

 昨年7月と9月には、自殺を踏みとどまらせる多様なメッセージ入りのTシャツを着た数十人が都心を練り歩くゲリラ的な活動を展開。今年1月にはJR新橋駅前で、ギャルファッションの若い女性たちと、自殺で父を亡くしたメンバーの書いた「天国のお父さんへ」と題する手紙のコピーを配った。今回もTシャツ隊が繰り出し、同様のチラシを配布する。

 サイト「生きテク」は、死にたいほどの悩みを「病気」「借金」など8類型に分け、自殺を回避できた人の実例を紹介する。オキタさんは「生きるための方法が見つかる蛇口のようにしたい」と話す。月に約10万件の訪問(ページビュー)があるという。

 杉並区は今年度から5月と9月を自殺予防月間に定め、毎年100人を超える区内の自殺者数の減少を目指している。

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