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2008年05月13日(火) 21時29分

山下氏、つらい体験もとに五輪ボイコットしないよう訴えスポーツ報知

 ソ連のアフガニスタン侵攻による1980年のモスクワ五輪ボイコットで参加できなかった山下泰裕東海大教授(50)ら当時の柔道の日本代表選手が13日、訪問先のモスクワで記者会見し、つらい体験をもとに、チベットでの人権弾圧などを理由に北京五輪をボイコットしないよう訴えた。

 山下氏は「人権迫害にマスコミなどが抗議するのは当然だが、五輪では世界の若人が集まって技を競い友情を深める。ボイコットで選手の夢を奪ってはならない」と力説した。

 10日から訪問した元選手のうち、ロサンゼルス五輪で金メダルを取った山下氏を除く5人にとって、モスクワ五輪は「最初で最後の五輪」だった。滞在中は当時の五輪会場を見学し、かつてのライバルと再会。指導者ら100人近くに柔道を教えた。

 訪問団は到着後、柔道好きのプーチン首相から突然、夕食会に招待された。首相から「北京五輪で日本柔道は金メダルをいくつ取るつもりか」と質問された山下氏は「4個は取りたい」と返答。首相は、ロシアが北京五輪の柔道で「男女計14階級のうち13階級で代表権を得た」とうれしそうに話したという。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080513-OHT1T00248.htm