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2008年05月13日(火) 22時15分

NTT、ドコモとの連携強化へ 通信3社が収益源模索朝日新聞

 通信大手3社の08年3月期連結決算が13日、出そろった。KDDIとソフトバンクは携帯電話事業が好調で過去最高の売上高を更新。NTTは固定電話の減少が響いて減収となり、固定通信と携帯電話を融合したサービスを柱とする新戦略を打ち出した。

 「インフラ整備からサービス展開に軸足を移す」。NTTの三浦惺(さとし)社長は3月から運用を始めた光ファイバーを使った新ネットワーク(NGN)のサービス向上を新戦略の課題に掲げた。

 具体的には、NTTドコモと連携を強める。ベンチャー企業を支援して、より質の高いサービスをめざし、NGNなど光回線事業を11年度に黒字化する。Bフレッツなど既存のIP(インターネット・プロトコル)網加入者も12年度にNGNへ完全に移す。いまは売上高の半分ずつを既存の電話網とIP系サービスが分け合うが、12年度にはIP系を75%に増やす。固定電話網に代わり、NGN事業を成長の柱に育てる考えだ。ただ、NTTの組織のあり方は10年に議論することになっており、グループの一体化を強める姿勢が波紋を呼ぶ可能性もある。

 5期連続の増収増益となったKDDIも事情は同じだ。固定通信事業の赤字を携帯事業の伸びで補ったものの、小野寺正社長は「携帯電話の新規市場は縮小している」。自前の光ファイバー網の整備を急ぎ、収益源の拡充を進める。

 携帯電話、ネット、固定通信など主要全部門で増益だったソフトバンクの孫正義社長は「携帯インターネット」と「アジア市場」の可能性を強調する。中国のネット企業への出資を発表するなど、より収益性の見込める海外事業へのシフトを鮮明にしている。

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