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2008年05月13日(火) 11時00分

懸賞サイト詐欺:急増 100万円超す被害も 07年度は15件、相談倍増 /青森毎日新聞

 「懸賞金が当たった」とメールで誘い、手続きに必要だなどとして金を支払わせる手口が最近、急増している。07年度に県消費生活センターに寄せられた相談件数は前年度の2倍近くに上り、なかには被害額が100万円を超える人もいるという。同センターは「ラクしてもうかることはない」と注意を呼びかけている。【後藤豪】
 同センターによると、懸賞サイトでの県内の被害は04年度ごろから出始め、07年度は少なくとも前年度より7件多い15件に上る。
 県内に住む20代前半の無職の女性は昨年9月、被害に遭った。登録すればポイントがたまり、現金化できるという携帯電話の「お小遣いサイト」に手当たり次第に登録したのがきっかけだった。中身は懸賞サイトや占いサイトで、しばらくすると「999万円当選した」「ブランドのバッグが当たった」などといった内容のメールが複数届いた。
 懸賞金や賞品を受け取るには手数料が必要だと言われ、メールでのやり取りは出会い系サイトを使って行われた。1回のやり取りで手数料が数千〜数万円かかるメールが何回も続いた。しかし女性は「あとから懸賞金で払えばいい」と考え、クレジットカードで決済することにした。
 ところが、懸賞金は一向に受け取れず、逆に手数料としてドル建てで約65万円の請求書がカード会社2社から届いた。女性の相談を受けた同センターは、消費者とクレジット会社の間に入っている「決済代行会社」(*ことば)と交渉したが、請求差し止めができたのは一部だった。
 同センターは「当選したお金をもらうのに、こちらからお金を払うことのおかしさに気付いてほしい。入学シーズンで若い世代が新規に携帯電話を持つ時期でもあり、注意してほしい」と話している。
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 ◇懸賞サイト被害の相談件数
2004年度  2件
  05年度  4件
  06年度  8件
  07年度 15件
 ※県消費生活センター調べ。07年度は08年2月までの数。
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 ■ことば
 ◇決済代行会社
 多くは海外のクレジット会社の加盟店になり、提携している国際的なクレジット会社を通じて日本でもクレジット決済できるようにしている。出会い系サイトなどの業者は決済代行会社に手数料を支払い、本来は利用できないカード決済が可能となる。悪質業者による決済代行会社の利用が広がっている。

5月13日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080513-00000009-mailo-l02