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2008年05月12日(月) 12時00分

新野菜続々誕生で考える植物の交配ってどこまでOK?R25

ブロッコリーとビタミン菜を交配させた「あすっこ」や、ブロッコリーと中国野菜のサイシンを交配させた「はなっこりー」のように、馴染みある野菜を交配させて作った新野菜が全国各地で増産されているとか。2つの野菜の良いところを掛け合わせた新しい品種を売り出すことで、地域の名産品にしようという狙いだ。そこで、ふと疑問。植物って、掛け合わせるだけで、新しい品種が誕生するのだろうか? それに勝手に新品種を誕生させたりしていいの?

「植物はブロッコリーとカリフラワーのように“種”が同じなら、人工的に交配させて新しい品種を作り出すことは、それほど難しいことではありません。特に規制があるわけでもありません」(東京都農林総合研究センター・野口さん)

考えてみると植物の交配は、日常的に行われている。自然界では虫などが自由に花粉を運び、研究者でも何と何が掛け合わさってできたものなのか、一見判別できないようなユニークな植物が生まれることもしばしばあるのだとか。

では“種”が異なると、交配しても新しい品種はできないのだろうか?

「基本的には、できません。同種であれば、めしべに付着した花粉は卵細胞を目指して花粉管を伸ばしていき、受精に至ります。しかし種が異なると、人間の免疫機能と同じように花粉を異物だと思って、その進行を拒絶してしまうのです。たとえ受精ができたとしても、受精卵がめしべ内の周辺の細胞と同調できなかったりして、途中で死んでしまうことも。このように、種が異なると乗り越えなくてはならない何段階ものハードルがあるのです」(同)

また“種”が違えば、染色体の数が異なる。このため、受精時にペアが作れない染色体が生じ、その後の細胞分裂が正常に進まなくなることも要因のひとつだ。

種が違うとめしべに花粉をのせるだけじゃ新しい野菜は誕生しない。交配にはこんなルールがあったのだ。
(R25編集部)

意外と知らない異種交配でできた野菜を見る

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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