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2008年05月12日(月) 23時19分

三菱UFJシステム統合で障害2万件…点検漏れでスポーツ報知

 三菱東京UFJ銀行は12日、旧東京三菱銀行の店舗が発行したキャッシュカードの一部が提携先のセブン銀行の現金自動預払機(ATM)で利用できなくなる障害が発生したと発表した。

 午前7時から現金引き出しや残高照会ができず、約5時間後の午前11時55分ごろ、復旧した。約2万件の取引が成立しなかった。

 システム更新したプログラムにミスがあったのが原因で、事前テストの対象から漏れていたという。

 三菱東京UFJ銀は、旧東京三菱銀行の約250店でシステムを更新し、12日午前7時に稼働させた。旧UFJ銀行のシステムとの大規模統合は、スタートからつまずいた。

 旧東京三菱銀のATMを利用し、ゆうちょ銀行など6金融機関の口座への入金ができない障害も起き、約200件の取引ができなかった。12日午後8時40分ごろ復旧した。

 金融庁は詳しい原因や利用者への影響について、銀行法に基づく報告を求める。記者会見した佐藤隆文長官は「今後の同行の取り組みを注視したい」と述べた。

 三菱東京UFJ銀は、2006年1月に旧東京三菱銀と旧UFJ銀が合併して発足。これまで併存してきた2行のシステムを統合するため、総投資額3300億円のシステム更新を進めてきた。ピーク時には約6000人が携わり、世界の金融機関でも例がない大規模プロジェクトになった。

 三菱東京UFJ銀によると、旧東京三菱銀の店舗で発行されたキャッシュカードを利用している顧客のうち、通帳に記帳していない取引が10件以上ある場合にセブン銀のATMで障害が発生した。

 新システムでは、未記帳の取引が多い顧客の利用明細表に、記帳を促す文章が印字されるようにした。しかし、このサービスのためのプログラムに、セブン銀が受信できない文字コードが含まれていたため、セブン銀のATMで取引ができなくなった。障害があった取引は、事前テストしていなかったという。

 旧UFJ銀の約420店も、年内に5回に分けて新システムに切り替える予定。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080512-OHT1T00156.htm