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2008年05月11日(日) 02時31分

<PCI事件>「裏金目的で水増し」 前社長を再逮捕へ毎日新聞

 国の遺棄化学兵器処理事業を請け負う大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)グループの複数の元社員が、東京地検特捜部の調べに「裏金の捻出(ねんしゅつ)目的で国に事業費を水増し請求した」と供述していることが分かった。特捜部は、国から事業費をだまし取ったとして、前社長の多賀正義容疑者(62)=特別背任容疑で逮捕=を拘置期限の13日にも詐欺容疑で再逮捕する方針を固めた模様だ。

 国から詐取した事業費は年間1億数千万円に上り、総額では数億円に達するとみられ、特捜部は裏金の使途の解明を進めている。多賀前社長のほか、新たに当時の幹部4人前後についても詐欺容疑で逮捕する方針。特別背任容疑で逮捕されている元社長、荒木民生容疑者(71)ら3人については、関与が薄いとして詐欺容疑での立件は見送られる見通し。

 内閣府は99年度から、旧日本軍が中国に残した化学兵器を取り除く処理事業を開始。04年度からは、PCIのグループ会社「遺棄化学兵器処理機構」が独占受注し、事業の一部をPCIの共同企業体に委託していた。

 関係者によると、水増し請求は、下請け会社の従業員の人件費を過大計上する手口だった。PCIの下請けに入っていたグループ会社「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM)の元幹部らが水増し請求を認める供述をしているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080511-00000012-mai-soci