記事登録
2008年05月10日(土) 21時21分

胡主席が奈良を訪問 法隆寺や唐招提寺を視察スポーツ報知

大野玄妙管長の説明を受けながら法隆寺五重塔前を歩く中国の胡錦濤国家主席(手前右)

 来日中の中国の胡錦涛国家主席は最終日の10日、中国のトップとして初めて奈良県を訪れた。雨の降る中、法隆寺(斑鳩町)、唐招提寺(奈良市)などを見学し荒井正吾県知事らと会談。「(唐招提寺を開いた唐の高僧だった)鑑真和上の精神を受け継ぎ、両国関係を発展させることが重要」と述べた。

 同日午後は、中国進出企業の先駆けである大阪府門真市の松下電器産業本社を訪問。中村邦夫会長ら同社首脳陣に「環境にやさしい国づくりに取り組む中国に対し、松下の協力をお願いしたい」と環境分野での技術協力を求めた。

 奈良の法隆寺では、胡主席は中門から五重塔や金堂の間を歩きながら、大野玄妙管長から寺の説明を受け、国宝の薬師如来坐像などを見学。「1400年前に中国の文化を学び、憲法を作った聖徳太子は、平和のために生涯をささげた」との説明に、主席は大きくうなずき「両国の人民が仲良く平和であればいいですね」と応じた。

 唐招提寺では松浦俊海長老に「雨の中、ようこそ」と迎えられ、唐代の船をかたどった模型「友誼(ゆうぎ)の舟」を寺に寄贈した。

 近くの駐車場では、チベットからの留学生や日本人ら約50人がチベットの旗などを掲げ「フリーチベット(チベットに自由を)」と叫んだが、大きな混乱はなかった。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080510-OHT1T00113.htm