愛知県豊田市の田んぼで愛知教育大付属高１年・清水愛美さん（１５）が殺害されているのが見つかってから、１０日で１週間がたつ。豊田署捜査本部は不審者の洗い出しを進めているが、県内で少女が狙われる事件が続発している。西尾市と豊橋市では、いずれも自転車で走行中の１６〜１７歳の少女が、男から襲われていたことが分かった。また、半田市で６日に中学３年の女子生徒（１４）が、男から髪を切られたと訴えた事件は、虚偽の被害申告だったことが分かった。
◆半田市で６日被害届 半田市の事件は女子生徒の狂言だった。６日午後、部活動の帰り、生徒は見知らぬ男からはさみのようなものでポニーテールを切られたと届け出た。３０歳前後、身長１７０センチの男から髪を約７センチ切られたとの証言を受け、半田署は傷害事件として捜査していた。
ところが８日午後８時ごろ、生徒は両親や先生とともに同署を訪れ「うそをつきました」と告白。被害届を取り下げた。同署は軽犯罪法違反（虚偽申告）の疑いで生徒から事情を聞く。
半田署によると、生徒は３日、母親から「髪が長すぎる」と言われ美容室で髪を切ったが、６日にも以前から約束していた友人と、一緒に髪を切りに行った。ばれると母親に怒られると考え、うそをついたという。
清水さんの事件もあったことから、生徒のうその届けを受けた半田署は捜査とパトロールに総力を挙げ、学校や保護者らも警戒を強めていた。ところが生徒と一緒に髪を切った友人が、学校の先生に「Ａ子さん（生徒）は６日、自分と一緒に髪を切った」と知らせ、事実が発覚した。
元警視庁巡査部長でジャーナリストの黒木昭雄氏は、虚偽申告と聞いてあきれたが「犯罪者が連鎖するように、狂言も連動する」と指摘。同年代の少女が続けて狙われている現状が、うそをついた生徒の発想にも影響したとの見方。「それでも清水さんの犯人は捕まっていない。警戒を緩めないで」と呼びかけた。
◆西尾市、女子高生自転車ごと倒される
西尾市では県立高校３年の女子高生（１７）が男に自転車ごと倒され、けがをする被害に遭っていたことが９日、分かった。清水さんが殺害された同県豊田市の現場から約２０キロの地点で、自転車ごと襲う手口が似ていることから、西尾署は傷害容疑で捜査、関連を調べている。
事件があったのは７日午後７時半ごろ。西尾市の県道で女子生徒が自転車で走行中、男にすれ違いざまに自転車をけられ、転倒。男は馬乗りになろうとしたが、生徒が悲鳴を上げて足でけったところ、そのまま逃走。生徒は足にすり傷を負った。男は４０歳ぐらいという。
◆豊橋市、農地に呼び込み胸触る
豊橋署は９日、強制わいせつの疑いで、豊橋市の会社員・江口晴一容疑者（３１）を逮捕した。
調べでは、江口容疑者は８日午後９時４０分ごろ、豊橋市内の県道で、自転車で買い物に行く途中だった女性店員（１７）を呼び止めて農地のあぜ道に引きずり込み、胸などを触った疑い。
女性が大声を出したため、江口容疑者は近くに車を止めたまま逃走。女性の通報で駆け付けた豊橋署員が車のナンバーから同容疑者を割り出し、事情を聞いたところ、犯行を認めた。
◆豊橋市、すれ違いざま男が液体かける
９日午後７時５５分ごろ、愛知県豊橋市の路上で、自転車で帰宅途中の高校２年の女子生徒（１６）が、前から来た自転車の男とすれ違った際、男に接着剤のような液体を顔にかけられた。生徒は左目に液体が入り、病院で手当てを受けた。軽傷とみられる。豊橋署は傷害容疑で捜査している。
男は紺色の長袖シャツにジーンズ姿で、黒の自転車に乗っていたという。生徒は通学している同市内の高校から部活動が終わって、１人で帰宅途中。被害後、パチンコ店に助けを求め、通報された。
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