京都府舞鶴市の雑木林で８日午前、同市内に住む府立東舞鶴高校浮島分校（定時制）１年・小杉美穂さん（１５）が遺体で見つかった。顔と頭に殴られたような複数の傷跡があり、首に細い枝のような物が巻き付けられていた。美穂さんは６日夜から７日朝にかけて自宅からいなくなり、母親から家出人捜索願が出ていた。府警捜査１課は、殺人と死体遺棄事件として、舞鶴署に捜査本部を設置した。
遺体は全裸で、ほぼ全身に土や枯れ葉がかけられ、片方の耳と指だけが見える状態だった。穴を掘ったような跡はなく、顔と頭に殴られたような複数の傷跡があった。顔面を骨折しているとみられる。首には細い枝かつるのようなものが巻かれていた。
調べでは、美穂さんは母親の春美さん（３７）と２人暮らし。２日にも春美さんは捜索願を出し、そのときは美穂さんは深夜に保護されている。今回、春美さんは６日午後１０時ごろ、自宅に美穂さんがいるのを確認しているが、７日午前６時半ごろ「起きたら娘がいなくなっていた」といい、７日午前１１時ごろ、春美さんが舞鶴署を訪れて家出人捜索願を出した。春美さんはその際、「娘が自殺するかもしれない」と話していたという。
同日午後７時ごろ、朝来川や遺体発見現場の対岸などから、美穂さんの携帯電話や財布、カバンなど複数の所持品が数メートルの間隔で落ちているのが見つかり、８日朝から改めて付近を捜索したところ、遺体が発見された。着衣も付近に捨てられていたが、はいていたとみられるズボンはみつかっていない。
府警は遺体を司法解剖して死因を調べるとともに、美穂さんの足取りを調べている。
美穂さんが３月まで通っていた同市立白糸中学の後野文雄校長は、「目立たず、おとなしい子だった」と振り返る一方で「同世代の中でも浮き沈みの激しい感じだった」とも話した。中学時代は不登校の傾向があったが「家出などの問題行動やいじめがあったとも聞いていない」という。
同校長によると、美穂さんは中学入学後約１か月で、精神的な不調などから府立の特別支援学校へ転校。２年時には親せきがいた栃木県の中学に一時移り、３年の１学期に白糸中に戻り今春卒業した。
４月には高校に入学したが、入学式を含めて一度も登校していない。高校側は、入学前から母親や中学と話し合っており、母親には「慌てずにいきましょう」と話していたという。
同市内では２００１年１１月、府立海洋高校３年の新谷茜さん（当時１８）が、首を刃物で切られて死亡しているのが見つかった事件があった。府警は殺人容疑で捜査を続けているが、現在も未解決のまま。
２つの現場は約３キロしか離れておらず、府警は両事件の関連も視野に入れて捜査を進める。
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