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2008年05月08日(木) 13時26分

白樺共同開発の可能性…中国が大幅譲歩スポーツ報知

 日中両国最大の懸案である東シナ海ガス田問題で、中国側がこれまで難色を示していた天然ガス田「白樺」(中国名・春暁)の共同開発について、日本側に柔軟姿勢を伝えていたことが8日、分かった。政府は7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)前に合意できるよう詰めの調整を急ぐ考えだ。複数の日中外交筋が明らかにした。

 これまで中国側は白樺は共同開発の対象外との立場を堅持していたが、大幅に譲歩し「共同開発の対象とする可能性」を伝えてきたという。ただ、日本政府筋は「白樺の共同開発には中国国内の強硬派が反発しており、国内調整は難航している」との見方を示した。

 ガス田問題について、福田康夫首相は7日の日中首脳会談後の記者会見で「大きな進展があり、解決のめどが立った」と表明。胡錦涛国家主席も「問題解決の展望が見えてきた」と述べていた。

 共同開発の対象海域をめぐっては、日本が排他的経済水域(EEZ)の境界線(日中中間線)をまたぐ形を提案。中国側はこれに難色を示していたが、昨年12月、それまで存在自体を認めていなかった日中中間線を基準に、白樺を除くガス田を共同開発の対象とする妥協案を提示した。日本側は白樺も対象とするよう求め、棚上げの状態になっていた。

 政府は今後事務レベルで共同開発の出資割合や海域の特定、利益配分など詳細をめぐり協議する方針だ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080508-OHT1T00163.htm