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2008年05月08日(木) 12時41分

死者10万人超の可能性…ミャンマーのサイクロンスポーツ報知

 ミャンマーに駐在するビラローサ米臨時代理大使は7日、ヤンゴンからワシントンの記者団との電話会見に応じ、ミャンマーを襲った大型サイクロンによる死者が10万人を上回る可能性があることを明らかにした。

 同臨時代理大使は死者数は確認されていないと断りながらも、非政府組織(NGO)から寄せられた情報として「(ミャンマー南部の)デルタ地帯で10万人をはるかに超える死者が出ている可能性がある」と述べた。

 ハドリー米大統領補佐官も同日の記者会見で、死者数が10万人に上り、さらに行方不明者が多数いるとの見方を示した。

 フランス公共ラジオは8日、ミャンマー南西部エヤワディ管区で救援活動に従事している軍当局者の話として、サイクロン被害がひどかった同管区の町ラブッタ周辺の村落だけで「約8万人が死亡したと推定される」と語った。

 ラブッタはイラワジ川の大デルタ地帯の低地にあり、周辺の村の多くが高波にのみ込まれたためとしている。

 一方、ミャンマー軍事政権が米国などからの支援を受け入れる姿勢を示していないことについて、ライス国務長官は7日、記者団に対し「これは政治ではなく人道危機の問題。国際社会からの人道支援がなければ状況は悪くなる一方だ」と指摘、軍政側に対応を促した。

 またマコーマック国務省報道官は、ミャンマー周辺国や影響力を持つ中国、インド、日本に対し、軍政が支援を受け入れるように働き掛けることを求めていると語った。

 米国はミャンマーの人権状況や野党勢力への弾圧などを非難し、軍政指導部などを対象に経済制裁を実施している。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080508-OHT1T00148.htm