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2008年05月08日(木) 10時24分

ミャンマー、死者10万人を超える可能性もと米代理大使サンスポ

 ビラロサ駐ミャンマー米代理大使は7日、ヤンゴンからの電話会見で、ミャンマーを襲った大型サイクロンによる死者数は10万人を超える可能性があるとの見方を明らかにした。国際援助団体などから受けた情報をもとに推計したもので、死者・行方不明者数約6万5000人とするミャンマー側の説明をはるかに上回っている。

 ビラロサ代理大使は被災地では水や食糧が不足しているとして、「このままでは疫病が広がる危険性が高い」と述べ、早急な支援の必要性を強調した。

 ただ、ビラロサ氏によると、支援受け入れを認めるようミャンマー軍政当局と会談する努力を続けているものの、はかどっていないという。ビラロサ氏は「彼らは被害妄想的な体制だ」と述べ、軍政を批判した。

 マコーマック国務省報道官は7日の記者会見で、日本や中国、インドなどとも連絡を取り合って、軍政に対し支援を受け入れるよう影響力を行使するよう求めていると説明した。

 米政府はこれまで軍政の人権弾圧などに厳しい姿勢をとってきたが、ライス国務長官は記者団に「政治の問題ではない。人道的な危機だ」と述べた。

 米政府は約325万ドル(約3億4000万円)の緊急援助を提供すると発表したほか、米軍の艦船や航空機が隣国タイなどで支援実施に向けて待機している。


http://www.sanspo.com/sokuho/080508/sokuho007.html