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2008年05月08日(木) 11時59分

くいだおれ人形を地元に…「くいだおれファンド」を設立サンスポ

 7月に閉店する大阪・道頓堀の飲食店「大阪名物くいだおれ」の看板「くいだおれ太郎」を地元に残すため、人形の商標権と意匠権を共同で買い取ろうと、地元のイベント会社などが「くいだおれファンド」を設立した。1口100万円で100社の賛同者を募り、1億円の買い取り価格を提示するのが目標。すでに10社・団体などから賛同を得て、問い合わせが数十社にのぼっているという。

 ファンドを立ち上げたのは、イベント企画会社で、インターネット上の道頓堀紹介サイト「道頓堀ねっと」を運営するラプレ(大阪市中央区)と、広告代理店、コナソン(同北区)。「くいだおれ人形は道頓堀に残したいが、1店、1社ではどうしようもない…」という地元商店や企業の声を受けて、ラプレの上谷信幸社長らが取りまとめ役を買って出た。

 商店や企業など出資者が人形の共同所有者になるというもので、くいだおれ人形に自社商品を持たせるなど、出資者は年間3日間の人形活用権を得る。くいだおれ人形は道頓堀に残すことが大前提だが、大阪や道頓堀の対外的PRのためなら、国内外への太郎の“出張”も認めるという。

 上谷さんらは、地元企業のほか、大阪物産展などの催し物を開催する首都圏の百貨店や、大阪ツアーをPRする旅行会社などに人形の使用や意匠権活用のメリットがあるとして、出資の協力を打診。一方で、教育やチャリティー目的には、太郎の無償活用を認めるという。

 上谷さんは「道頓堀から太郎がいなくなれば、一帯の観光客は減ってしまう。大阪を象徴する“顔”なのでぜひとも残せるよう、みんなの力を結集したい」と話している。


http://www.sanspo.com/sokuho/080508/sokuho017.html