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2008年05月08日(木) 15時47分

1000万円着服の容疑読売新聞

県民信組元調査役を逮捕
斉藤容疑者宅の捜索に入る捜査員(7日午後1時40分ごろ、南アルプス市在家塚で)

 山梨県民信用組合(甲府市)の元職員による横領事件で、甲府署は7日、約1000万円を着服したとして、元調査役で南アルプス市在家塚、内装工斉藤一也容疑者(48)を業務上横領容疑で逮捕した。同信組の調査では、斉藤容疑者は現金約4600万円を着服したとされ、同署は全容解明に向け捜査を進める。

 発表によると、斉藤容疑者は、2001年8月ごろから04年9月ごろにかけ、顧客の男性に融資するために預かっていた現金計約1000万円を3回に分けて着服した疑い。「遊興費や(以前の)着服の穴埋めに使った」などと供述しているという。同署は7日午後、斉藤容疑者宅を捜索し、関係書類などを押収した。

 同信組によると、斉藤容疑者は主に融資金の回収を担当する管理部門に勤務。十数年前から06年8月までに、顧客の定期預金を無断で解約するなどの手口で、二十数回にわたり着服を繰り返した。

 着服は、顧客からの問い合わせで06年8月に発覚。同信組は同年10月に元調査役を懲戒解雇処分とし、12月に時効分などを除いた1500万円分について同署に刑事告訴していた。

 同信組の横領事件を巡っては、元主任の三浦正紀被告(36)(公判中)が2月6日に業務上横領容疑で逮捕され、窃盗容疑を合わせて総額約1億5700万円分が立件されている。

 元職員の相次ぐ逮捕を受け、同信組は7日、小泉正仁理事長名で「誠に遺憾。再発防止や法令遵守(じゅんしゅ)、内部管理体制の徹底強化に向けて役員一丸となって取り組む」とのコメントを出した。財務省関東財務局は06年10月、同信組に業務改善命令を発令。同信組は、再発防止の取り組みの進ちょく状況の定期報告を義務付けられており、改善が認められるまで続ける。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20080507-OYT8T00575.htm