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2008年05月06日(火) 02時52分

連休のアキバで物欲を満たせ!——大型特価キャンペーン発生中+D PC USER

古田雄介のアキバPickUp!:ゴールデンウィーク中の秋葉原は、自作ビギナーも上級者も満足できる特価キャンペーンが各ショップで行われている。観光ついでに“お得なアキバ”をしゃぶりつくそう。

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●USER'S SIDEのDNAはフェイスPC館に受け継がれていた!?

 4月15日に閉店したUSER'S SIDE秋葉原本店の跡地に入店したのは、即納PCなどを扱うフェイス PC館だ。5月1日からプレオープンしており、2日の取材時にも新店舗の販売コンセプトや売り場の様子が確認できる状態になっていた。グランドオープンする3日以降は大々的なキャンペーンを行う予定。

 例えば、3〜4日にフェイス3店舗で買い物をすると、サイコロの目でプレゼントが当たる「スーパーダイスチャレンジ」に参加できる。景品はフェイスのオリジナルPCや22インチワイド液晶など、超豪華だ。

 フェイス PC館は、2007年10月に同系列のジャンクショップ「じゃんじゃん亭」をリニューアルする形でオープンした。即納PCを扱う専門店として営業していたが、末広ビルに移転後は、ワークステーションやコアゲーマー向けパーツ、オーバークロック関連商品に海外モノアイテムなどもあわせて販売するスタイルをとる。

 同ショップは「下のフロアのフェイス パーツ館では、比較的スタンダードなPCパーツを中心に扱います。PC館は即納PCとマニア向け。互いのカラーをはっきり分けて展開していこうと思います」と語っていた。

 ただ、店内のレイアウトや新たに扱う商品のジャンルを見る限り、USER'S SIDE秋葉原本店とかなり似通ったコンセプトに見える。実際、フェイス PC館はそれを狙っていた。「USER'S SIDEのお客さんも取り込みたいという気持ちを持っています。マザーボードディスプレイコーナーやレジの配置などはそのまま残していますし、扱っている商品も共通のものが結構あると思いますよ」(フェイス PC館)。

 USER'S SIDE秋葉原本店の閉店が決まったとき、フェイス パーツ館の店員さんは「今のアキバは“深く狭く”じゃ生き残れません。理想は“深く広く”ですが、現実的には多くのショップが“浅く広く”展開していくことになるでしょう」と語っていた。その口調から“浅く広く”の方針を採ると思われたが、フェイス系列店全体としては、あくまで“深く広く”の理想を追い求めていくようだ。

●ゴールデンウィークのアキバは、特価や限定品、貴重な展示品の宝庫に

 ゴールデンウィークの中日となった5月2日のアキバは、時折降りしきる雨に関わらず、大勢の人で賑わっていた。しかし、多くの店員さんは3日からの4連休にピークが来ると想定しており、週末にかけて大型キャンペーンを企画している。そのキャンペーンの内容からは、電気街を回遊する客層の変化が見てとれた。注目のキャンペーン情報とともに見ていこう。

 大型連休中はPCパーツショップも普段以上に賑わう。その客層について、「自作PC初心者の方が増えます」と答えたのは、BLESS秋葉原本店やT-ZONE.PC DIY SHOP、TSUKUMO eX.などだった。上記は、JR秋葉原駅から足を運ぶと電気街の入り口からすぐ先あたりにある店舗ばかり。そのためもあってか、PCに関する知識が比較的なくても利用できるアイテムを特価品に並べるキャンペーンが目立った。

 特に、電気街の玄関口ともいえるBLESS秋葉原本店は、大容量HDDと外付けHDDケースのセット購入で安くするキャンペーンを展開。「今週に入って、お客さんの層がはっきり変わりましたね。自作、初めてなんですけど……、という声をたくさん聞きました。そういった方にも安心して買ってもらえるように、気合いを入れてご案内しています」(同ショップ)という。

 また、TSUKUMO eX.では、ゴールデンウィーク限定で150個製作した「ツクモ弁当」が注目を集めていた。DSP版のWindows Vista Ultimate SP1に、弁当の具を模したタオルや入浴剤などの詰め合わせをセットにしたもので、2日から発売している。取材時にはすでに品薄となっていたため、4連休中に入手できた人は非常に幸運といえるだろう。価格はFDDとのセットで1万9800円。

 電気街の“奥のほう”に入っていくと、普段からの客層の変化は少なくなる。ツートップ秋葉原本店は「人は増えても、初心者と中上級者の割合は変わりませんよ。むしろ、特価を待って買い控えしていたコアなユーザーが訪れる印象ですね」と語り、フェイス パーツ館も「自作PCに詳しい人が、一気にパーツを買い換えようと各店舗を回る姿を見ますね。もちろん初心者の方も大歓迎ですけど……」と話していた。

 上記のコメントを総合すると、自作ビギナーの多くはアキバに訪れても電気街を少し入ったあたりまで足を運んで帰ってしまうという回遊パターンが浮かび上がってくる。しかし、それではもったいない。某店員さんは「ショップ保証を考えれば、1つの店ですべてのパーツを買うのが安全です。でも、いろいろな店舗で特価のパーツを買い集めて、できる限り安く高性能なマシンを目指すという楽しみ方もありますよ。それに、各ショップが独自に作ったデモ機を見るのも面白いです。せっかくアキバに来たなら、見るだけ見ないと損です!」と熱く語った。

 ツートップ秋葉原本店の店外ディスプレイでは、Phenom X4 9850 BlackEditionやCore 2 Extreme QX9650のオーバークロックデモが見られる。そのほか、フェイス パーツ館に展示されている「CPUの歴史」コーナーや、4連休中に連日行われるT-ZONE. PC DIY SHOP前のメーカーイベントを覗いてみるのもおすすめだ。

●「Phenom X4 9100e」は、売れ行き好調ながら「もう一歩!」の声も

 4月26日のAMD主催イベントで告知されたとおり、4月29日から「Phenom X4 9100e」が発売されている。価格は2万2000円前後で、在庫は少数だ。

 Phenom X4 9100eはクアッドコアではダントツで低いTDP 65ワットのCPU。1.8GHzで動作し、L2キャッシュは512Kバイト×4、4コア共通のL3キャッシュを2Mバイト搭載している。なお、コアのリビジョンは“X4”を冠しない旧来のPhenomと同じ「B2」で、新型のX3やX4とは世代が異なる。

 「ようやくPhenomも売れるようになってきたのかな……」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という声が聞こえるように、売れ行きは多くのショップで好調のようだ。BLESS秋葉原本店やTSUKUMO eX.では2日の時点で売り切れていた。「リビジョンが古いこともあって初回の入荷数を抑えたのですが、意外と人気がありますね。再入荷は連休明けになるかと思います」(TSUKUMO eX.)と言われるなど、多くのショップの予想を上回る結果となった。

 しかし、それでも甘い顔をしない店員さんもいる。「クアッドコアで低消費という特徴を打ち出したのはよかったと思います。でも、まだCore 2 Quadに対抗するほどじゃないよね。9100eがB2リビジョンではなく、最新のB3リビジョンで“9150e”として登場したら、もっと売れていたでしょう。そのヘンの詰めの甘さが、AMDらしいんですけどね……」(某ショップ)と、さらなる飛躍を期待するコメントを耳にした。

●連休中も普通に登場する新製品たち——「代理店の人たちも大変っすね」

 3〜4年前のアキバでは、ゴールデンウィーク中に新製品が出ないのはあたりまえだった。しかし、今週は普段と同じ程度登場しており、毎週通うユーザーにとっても目新しい商品がいくつも見られる。

 その理由を某ショップは「製品を発送する代理店の営業担当さんは、ここ最近、普通にカレンダー通り仕事をしているみたい。製品を入荷するときに、『会社に戻ったら、ほかの部署の人間がみんな有給をとっていて、誰もいないんだよね……』なんてグチをよく聞くね。まあ、この傾向は今後も続くと思う」と語っていた。

 その営業さんの努力もあって、今週登場したのがセンチュリーの「シリコンディスクビルダー CF RAID」だ。最大3枚のCFを装着することで1台の2.5インチドライブとして使える。RAID 0/5に対応したのが特徴だ。

 IDE接続とSerial ATA接続の2タイプがあり、価格はともに2万円弱となっている。T-ZONE.PC DIY SHOPは「ちょっとしたSSDとして楽しむのに最適なアイテムですね。このドライブにOSをインストールしてマシンを組めば、高速起動が実現しますよ」と語っていた。

 また、3日からはAntecのタワー型ATXケース「Twelve Hundred」も発売される。フロントに12基の5インチベイを備え、ケース上部に直径20センチのファンを搭載しているのが特徴だ。価格は2万6000円前後。「以前から評判になっているケースなので、人気が出るでしょう。特にこれから地デジマシンを組むという人には、多数のHDDが搭載できるのでおすすめです」(ドスパラ秋葉原本店)とのこと。

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