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2008年05月05日(月) 02時30分

<愛知・女子高生殺害>4月にも2生徒、現場周辺で襲われる毎日新聞

 愛知教育大付属高校1年、清水愛美(まなみ)さん(15)=同県豊田市=が下校途中に殺害された事件で、現場の半径10キロ内で女子高生が車かバイクの男に襲われる事件が事件前10日以内に2件相次いでいたことが分かった。県警豊田署特別捜査本部は犯人が車かバイクを逃走に使ったとみており、事件との関連を調べている。【中井正裕、木村文彦】

 県警や豊田市などによると4月25日午後7時半ごろ、今回の現場から東に約3.5キロ離れた同市若林東町の農道で、自転車の県立高校2年の女子生徒が原付きバイクに乗った黒ヘルメットの男に「豊田高校はどこ」と尋ねられた。女子高生が「知りません」と答えると、男は何度も聞き返しながら道の端に追い込んで腕をつかみ、髪を引っ張って押し倒した。女子高生が抵抗すると、男はバイクで逃げたという。

 2日前の23日には、現場から約8キロ北の東郷町の路上で、清水さんと同じ愛教大付高の女子生徒が、乗っていた自転車ごと男に突き倒される事件も起きていた。女子生徒が通行人に助けを求めると男は逃げたといい、逃走には車などを使ったとみられる。

 車かバイクを使った不審者事案は、今回の現場周辺の豊田市と三好、東郷の2町で07年4月以降、少なくとも9件発生している。

 隣接する3市町のうち、豊田市と西隣の三好町で発生した不審者事案は、学校や警察に通報があると、両市町の小中高校などで組織する委員会を通じて両市町の全学校にファクスで通知されている。しかし愛教大付高は刈谷市の北東端に位置するため、豊田市に近接しているにもかかわらず、同委員会は同高へ不審者情報を通知していなかった。

 同高の稲垣安彦教頭によると、同高はこれまで同高生徒や保護者から通報を受けた不審者事案しか把握していなかった。「現場周辺で事件が相次いでいたことは報道で初めて知った。連絡を受けていれば生徒に注意を呼びかけたはずだ」と話している。

 県警豊田署は4日、今回の事件を受け、児童・生徒の見守りや事件情報の提供を求める緊急連絡を豊田市と三好町の全校に送信した。だが、今回も愛教大付高には届いていないという。

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