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2008年05月04日(日) 10時00分

セブン&アイ 社員の悲喜こもごも日刊ゲンダイ

●「われわれは関係ないし…」の冷めた反応も
 かなり太っ腹だ。セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長(84)が、個人で所有する株式の一部を幹部社員らに贈与するという。
「あくまで伊藤名誉会長が個人として行うことなので、会社としてはコメントしにくい。どんな人が対象になるかは決まっていないし、分かりません」とセブン&アイ幹部は、困惑するばかりだ。
 だがグループ社員には「誰がもらえるか、もう決まったんですか」と気になる様子の人がたくさんいる。一部報道では、創業者の伊藤氏が贈与する金額は60億円規模で、受け取る人は約5000人、1人当たり少なくとも時価30万円程度になる見込みという。
 セブン&アイグループの従業員は約5万5000人(連結)。伊藤氏の個人的な贈与とはいえ、「もらえるか、もらえないか」はどんな社員だって気になるはず。
「自分が対象かどうかは本当に知りません。(もらうのは)難しいですかね。でも結局、誰が贈与されたかは最後まで分からないと思いますよ」
 そんな社員がいる一方、ハナから諦めムードの人たちもいる。
「正直、われわれは関係ないと思っています。同じグループとはいえ、イトーヨーカ堂やセブン—イレブンと違って、ウチがグループ入りしたのは比較的新しいですから」(グループ会社の40代社員)
 長年にわたりセブン&アイの発展に尽くしてくれた人たちに報いたい。そう思う創業者の気持ちは痛いほど分かる。しかし、現場で汗を流す若い社員や、「ウチは関係ない」と思い込むグループ会社社員らの気持ちは複雑だ。
「差別とか区別とか、そういう気持ちは全くありませんが、何というか釈然としないものを感じてしまう。趣旨が違ってしまうのかもしれませんが、線引きをハッキリさせるとか、一律に贈与するなど他の方法もあったような気がします」(グループ会社の30代社員)
 大盤振る舞いに見える創業者の株式贈与。士気が上がる社員がいれば、そうでもない人もいる。
「もらった? もらわない?」のコソコソ話が、しばらく続きそうな気配。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080504-00000010-gen-ent