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2008年05月03日(土) 22時38分

<愛知・女子高生殺害>通学路で悲劇 医療関係の夢断たれ毎日新聞

 通学路で悲劇が起きた。愛知県豊田市で3日早朝、殺害された女子高生の遺体が見つかった。医療関係で働く夢を持っていた優しい女子高生は、高校入学からわずか1カ月で、15年の短い命を奪われた。友人は悲報を聞き、涙にくれた。【秋山信一、中井正裕】

 殺害された愛知教育大付属高校1年、清水愛美さん(15)=同市駒場町=の遺体発見場所。3日早朝、清水さんの母親から連絡を受け、別の高校1年の親友の女子生徒(15)は清水さんを捜して現場近くに来ていた。悲報を聞き、「自分を持っていて、尊敬できる存在だった」と声を震わせた。互いに「最も頼りになる存在」と認め合う仲だった。目が真っ赤になった。

 別々の高校に進路が分かれたため、3月半ばに、2人でブログを開設し、互いの近況を書き込んだ。先月27日には、清水さんから「学校で一番をとったよ」と、うれしそうな声で電話がかかってきた。2人の交わした最後の会話になった。女子生徒は3日、「あの子はあたしの中でずっと生き続けてるから……」と書き込んだ。

 他の親友たちは「ニュース見た?」とメールを送信して悲報を伝え合い、「なぜ」と涙をこぼした。

 清水さんは豊田市立前林中学校では卓球部に所属、生徒会副会長や学級長も務め、周囲を引っ張るリーダーだった。優しく、責任感の強いしっかり者と評判で、障害のある級友の進学相談にも、親身に応じた。

 3年の秋にはクラス対抗の合唱コンクールの指揮者を務めた。練習でまじめに歌わないクラスメートを見て「みんながちゃんと歌ってくれない」と、親友には弱音をこぼしていた。それでもあきらめず、一人一人に「頑張ろうよ」と声を掛けて引っ張った。6クラスで3位に入る成績を残し、喜ぶ輪の中心で泣きじゃくった。同中学の石川泰弘教頭(53)は「文系の科目が得意だった。明朗活発で友達から信望があった」と振り返った。

 4月から通う愛知教育大付属高校でも学級委員になり、「中学で一緒の子がクラスに多くて楽しい。ちょっと宿題は多いけど」と話していた。バーベキュー大会では、食べ物をとりやすいように他の人に席を替わり、気を配った。サッカー部のマネジャーになり、2日も午後6時半まで部活の練習に参加、その下校途中に悲劇が起きた。そばには通学に使っていた自転車が倒れていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080503-00000081-mai-soci