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2008年05月03日(土) 10時01分

民主小沢代表が目論む自民分断シナリオ日刊ゲンダイ

 山口補選に大敗した福田自民党。福田降ろしが加速化するのかと思ったら、あまりの惨敗に「当面は福田を支えるしかない……」というムードになりつつある。どうにもならない政党だが、その裏で進行しているのが小沢民主党による「自民分断作戦」だ。

 山口補選の翌日(28日)、都内の料理屋で小沢と平沼赳夫元経産相が会談し、「将来的な連携」を申し合わせた。平沼は次期衆院選後の新党結成を言い出している。平沼側近によると、「風が吹けば10人前後の当選が見込める」という。実際、片山さつきと争う城内実ら当選しそうな若手が何人かいるし、選挙後、国民新党から何人かの国会議員が合流する話もある。これが政界再編の呼び水になる可能性があるという。平沼と親しく、小沢の懐刀である平野貞夫元参院議員は“仕掛け人”のひとりだ。
「昨年から平沼さんと会っています。勉強会を立ち上げようという話があったんです。今年の4月に会ったとき、平沼さんは『自民党の支えになるつもりはない。救国政権をつくって政界再編をやり、政権交代をやりたい。それまで小沢さんに頑張って欲しい』と言っていた。おそらく、そういう話を小沢さんともしたのではないのでしょうか。次期衆院選で、民主党が過半数を得るのは難しい。しかし、自民党も過半数が取れず、民主党が第1党に躍り出る可能性はある。そのとき、平沼新党ができていれば、自民党から合流する議員がいると思う。“救国済民”政権ができる。そこで年金、医療問題を片付け、国民を救う政治をするのです」(平野貞夫氏)

●山口補選惨敗で自民党は空中分解へ
 この政界再編はイデオロギーというより、利害だ。民主党は政権を取れるし、平沼は無所属議員から政界再編のキーパーソンになれる。双方の得になるのである。
 利害といえば、民主党は共産党との協力も不可欠だ。山口補選では共産党が候補者を立てなかったことから、かなりの票が民主党候補に流れた。総選挙でも共産党は候補者を絞るので、民主党候補は有利だ。1選挙区2万票前後の共産票が上積みされれば、自民党候補に流れる学会票を帳消しにすることができる。
「そのうえ、平沼新党が候補者を立てれば、保守票は分断される。ウルトラ保守の平沼さんから共産党まで、反自民で一致してきた。まさに政界再編前夜だ」(民主党衆院議員)
 福田が総選挙から逃げれば逃げるほど、支持率は下がり、党内はざわつく。小沢はそこに手を突っ込んでいく。自民党は覚悟を決めた方がいい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080503-00000005-gen-ent