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2008年05月03日(土) 13時01分

硫化水素自殺サイト:同じネット上、防止呼びかけ−−新潟青陵大大学院教授 /新潟毎日新聞

 ◇新潟青陵大大学院・碓井真史教授「雰囲気にのまれないで」
 全国的に拡大している硫化水素での自殺を未然に防ごうと、新潟青陵大学大学院の碓井真史(うすいまふみ)教授(48)=心理学=が、自身のホームページ上で呼びかけを始めた。タイトルは「硫化水素自殺を考えているあなたへ」。自殺方法をネット上で検索した人に自分の文章を読んでもらい、思いとどまらせるためだ。【畠山哲郎】
 「あなたの家族も、巻き添えになるかもしれません。あなたの部屋のまわりの人も巻き添えになるかもしれません」
 碓井教授は先月24日、自身のホームページ「こころの散歩道」に、こう書き込んだ。きっかけは前日に発生した、高知県で中学3年の女子生徒(14)が自殺した事件だ。テレビ局からインターネットと自殺の関係について長時間の取材を受けたが、実際流れた映像はほんの数秒。
 「映像として流れなかった部分を伝えたい。ネット上に硫化水素自殺の書き込みがあふれる中、心理学者として、同じネット上で予防を訴えたい」
 そう願って、研究室のパソコンに向かった。
 硫化水素を用いた自殺は今年に入って全国的に急増。県内でも未遂1件を含め、今年1月以降、既に5件発生している。
 「新しいゲームが出て、その攻略法をみんなが話し合っているような感じ。ネット上の雰囲気にのみ込まれて自殺を選択する人が多いのでは」と危機感を抱く。
 「自殺は追いつめられた人がやむにやまれずやっているもの。予防すべきもの」というのが持論。97年に開設したホームページでは、心理学のほか、自殺問題を扱うページもあり、自殺を報じるネットニュースでリンクを張られることも多い。
 26日、硫化水素自殺で20代の妹を亡くしたという人から、ホームページの掲示板に「自殺を考えている人が、方法を書いたサイトよりもこのようなサイトに来ることができるよう願います」と書き込みがあった。
 「1人でも、自殺をどどまってくれれば」
 碓井教授のホームページは、http://www.n−seiryo.ac.jp/〜usui/

5月3日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080503-00000126-mailo-l15