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2008年05月03日(土) 10時00分

【トレンド】ケータイっぽいスマートフォンをめざした“Windowsケータイ”!NTTドコモ「F1100」nikkei TRENDYnet

 NTTドコモから富士通製スマートフォン「F1100」が発売された。OSに、Windows Mobile 6 Standardを採用した“Windowsケータイ”で、これまで発売されたどのWindows Mobileを搭載したスマートフォンよりも、携帯電話ライクな製品に仕上がっている。

【詳細画像または表】

 入力に関しては、画面のタッチパネルには対応していない。また、QWERTY配列のフルキーボードも搭載しておらず、普通のテンキーが付いているのみだ。果たして、通常の携帯電話に馴染んだユーザーがすんなりとF1100を使えるのか? 主に法人向けではあるのだが個人でも購入できるので、その辺りを中心に検証していこう。

外観はまさに普通のスライドケータイ

 F1100は、富士通製としてははじめてのスライドタイプの携帯電話だ。OSにマイクロソフトのWindows Mobile 6 Standardを採用しているスマートフォンなのだが、他のスマートフォンと比べると、より“ケータイライク”をめざした機種となっている。それを最もよく表しているのが、操作をするためのキーだ。他のソフトバンク「X02HT」「X01T」やウィルコム「W-ZERO3シリーズ」などを含むスマートフォンの多くがQWERTY配列のフルキーボードを搭載しているのを売りにしているのに対し、F1100は他のケータイと同じく数字キーを主体とした12キーによるダイヤルキーとなっている。

 また、X02HTと同じくStandard Editionなので、画面を触って操作するタッチパネルには対応していない。スライドケータイとしては、スライドの開閉をバネにより補助するアシスト機能を搭載しており、開閉はしやすい。ただ、多少、このバネが強すぎて、開閉に力がいる印象を受けた。他にも、閉じるとロック、開くとロック解除といった機能もあり、他のスライドケータイと同じように使えるだろう。

画面の下にあるワンタッチボタンが便利

 操作として特徴的なのは、十字キーの上にある4つのワンタッチボタンだ。各ボタンにアプリケーションやワンタッチダイヤルなどを自由に設定でき、どんな状態でもワンタッチボタンを押すと割り当てた機能を呼び出せるのは非常に便利だ。よく使う「タスクマネージャ」や「ランチャー」、「ファイルマネージャ(ファイルエクスプローラ)」などを割り当てると快適に使えるだろう。

 数字キーなどのボタンは特に押しづらいといったことはないが、最近のケータイのようにボタンに凹凸がつけられたり、フレームレスだったりといった工夫はないので、別段、押しやすいといった感じは受けなかった。気になったのは、慣れていないときには、ソフトキーを押そうとして、ワンタッチボタンを押してしまうことがあったことくらいだ。

 また、同じNTTドコモ向けのスライドケータイといえば、三菱電機製のDシリーズだが、それらが十字キーの下が斜めにカットされ薄くなっており、十字キーと数字キーの段差をなるべくなくし、指の行き来をしやすくしているのに比べると、多少違和感を感じるかもしれない。キーライトはブルーだ。

 サイズは112×51×16.9mm、質量も134gなので、ケータイとしては普通だ。手に持ったときの感じも、特にバランスが悪いといったことも感じなかった。普段使っている「D905i」と並べると、一回りくらい小さいサイズとなっている。その分、ディスプレイが2.6インチでQVGA(240×320ドット)の6万5536色表示可能な半透過型TFT液晶となっているため、ハイエンドモデルと比べると解像度が低くサイズも小さく感じる。

確かにWindowsだが、携帯電話に近い操作性

 待受画面も初期状態で設定されているのは、アイコン表示などがケータイのように表示されるもの。メインメニューもStandard Editionなので、スタートメニューが9分割のアイコンメニューとなっており、携帯電話のように使えるはずだ。

 設定以降のサブメニューはリスト表示となっているが、その設定項目は他の携帯電話と比べると、やや趣きが異なるように感じる。もちろん、大まかな内容は同じようなものだが、無線LANなどの接続関係の設定は、少々わかりづらい気がした。特に、例えば、Biz・ホーダイを利用したい場合には、ある程度自分で設定しなければならないといったあたりは、通常の携帯電話ではないことだ。Biz・ホーダイの場合は、設定そのものはデフォルトであるのだが、標準で利用するという状態に手動で変更しなければならない。

 また、通常の携帯電話と異なるのは、タスクマネージャーがあるという点だろう。携帯電話の場合、自動的にアプリケーションの終了などをやっており、その分、同時に利用できる機能が制限されている。それに対し、Windows Mobileでは、どの機能も同時に利用可能なのだが、その分、同時に複数起動しているとメモリー不足になり、動作が緩慢になってしまったりする。そういったことを避けるためには、タスクマネージャーである程度作業を行ったら、使っていない機能を手動でクローズした方が良い。また、起動しているアプリケーションの切り替えもタスクマネージャで簡単に行うことができる。こういった操作性はパソコンに近い。

iモードには対応せず!文字入力は「ATOK+T9」を採用

 F1100はケータイのようなスマートフォンを目指しているのだが、注意しなければならない点は「iモード」に対応していないこと。つまり、NTTドコモのdocomo.ne.jpというドメインによるプッシュメールが利用できないのだ。メールサービスを利用するには、パソコンなどで使っているPOP/SMTPメールを手動で設定して利用することになる。

 文字入力としては、標準で「ATOK」による予測・推測変換が利用できる。携帯電話のFやDシリーズのATOKと同じように、時間が経つと自動で次の文字入力に移行するモードにも対応している。また、ATOKだけでなく、海外では圧倒的なシェアを誇る「T9」も搭載している。T9といえば、少し前のNTTドコモのNEC端末などに搭載されていたが、最近は搭載されていない。

 T9は入力の仕方に癖がある。例えば「今日」と入力するには、まず「き」なので、か行にあたる「2」を押し、次に「ょ」なので、よ行にあたる「8」、そして「う」なので、あ行にあたる「1」を押す。すると予測候補に「今日」が表示されるはずなので、それを選ぶという仕組みだ。はじめの「281」と3キーで予測候補に表示されるのも、かなりキー操作を少なくしていると思われるが、よく使う単語はより早く表示され、一度「今日」と入力すると、次からははじめに「2」を押した段階で「今日」が選択候補として表示される。慣れてくるとかなりキー操作を少なく入力が可能となるのだ。

 また、T9は連文節入力ができず、推測変換にも対応しないといった弱点があるのだが、その点、F1100ではATOKの推測変換機能がT9モードでも利用できるので、細かく変換していく分には、フルキーでなくてもかなり快適に入力できると思われた。ただ、かな英数交じりの文章を入力するときには、T9/ATOKともに英数カナ変換がないので、いちいち文字種を変更する必要がある。もう少し改良を加えて欲しい点だ。

Internet Explorerなどの豊富なMicrosoftのサービスに対応

 OSがWindows Mobileということで、マイクロソフトのサービスとの連携が行えるアプリケーションが備わっている。まず大きいのは、Windowsを搭載したパソコンとの連携機能「ActiveSync」が搭載されていることだろう。メールサービスとしては、iモードメールに対応していないため、通常はプッシュ配信には対応しておらず、5分おきに自動チェックするといった具合になる。

 ただし、ActiveSyncにより、ExchangeサーバーサービスやWindows Hotmailサービスを使うことで、ダイレクトプッシュというサービスが利用でき、これなら数分おきにチェックというよりも、よりリアルタイムでメールを受信できるのだが、iモードのプッシュメールとは違い、頻繁にネットワークに接続してチェックしているだけのか、常に接続中のアイコンが表示されていた。それでも、あまり頻繁に使わなければバッテリーは1日以上持つようなので、常に接続しているわけではないようだ。

 また、メールだけでなく予定表や連絡帳、仕事、お気に入りといったPIMデータも同期できるため、パソコンでOutlookを利用している人には非常にデータの管理がしやすくなるだろう。

 他にも、ウェブブラウザが「Internet Explorer Mobile」で、パソコンの「Internet Explorer」と比較するとかなり非力で、FLASHなどにも対応していないものの、パソコン向けサイトが閲覧できるフルブラウザとなっている。Cookieや一部のJavaScriptには対応しているので、ケータイ向けブラウザと比べれば、多くのパソコン向けサイトを表示できるだろう。また、アプリケーションを追加することで「Opera for Windows Mobile」や「ibisBrowserDX」といった他のウェブブラウザも利用することができるようになる。メッセンジャーもWindows Live Messengerが標準で利用可能だ。

無線LANやBluetoothに対応で、ケータイとは違った使い方も可能

 フルブラウザなどを利用するため、料金も気になるところだが、F1100ではスマートフォンで利用できるパケット定額オプション「Biz・ホーダイ」が利用できる。5985円/月からのオプションだが、2008年7月31日までの利用分については、オプション料金の半額(2992円/月)がそれぞれご利用月の翌々月のご請求金額からキャッシュバックされる「Biz・ホーダイ半額分キャッシュバックキャンペーン」を実施している。

 さらに、無線LAN(802.11b/g/a)やBluetooth(2.0EDR)にも対応している。無線LANを利用すれば、公衆無線LANサービスや自宅・オフィスに設定してある無線アクセスポイントを利用して、通信料を気にせず、データ通信が利用可能だ。Bluetoothも、ワイヤレスで音楽を聴いたりヘッドセットを使った通話、ActiveSyncによるデータ同期などが行えて色々と便利だ。こういった使い方は、まだまだ通常のケータイではあまり進んでいない部分だろう。

 他に、ケータイで利用できない機能として、Windowsケータイで良く挙げられる利点の1つに、WordやExcelといったオフィス文書を作成・編集できるといったことがあるのだが、残念ながら、F1100は閲覧はできるが、編集などはできない。これは、Microsof Word Mobileなどのアプリケーションが搭載されておらず、WordなどとPDFといったオフィス文書の閲覧はすべて「Picsel Viewer」を利用するためだ。この点はせっかくの法人向け端末なのに、機能として削る部分なのか疑問に思えた。

カメラ機能はやや劣るイメージ

 メインとして、有効131万画素CMOSカメラを搭載しており、手動スイッチによる接写には対応している。また、フォトライトも付いている。海外製のWindowsケータイだと、接写にすら対応していない機種も多いので、マクロモードがあるのは嬉しいところだ。これにより、QRコードなどを読み取るバーコードリーダー機能も搭載されている。ただ、ケータイによるスナップ写真と割り切ればそこそこ使えはするが、やはり通常のケータイのハイスペックモデルと比べるとオートフォーカスがないなど寂しくも感じる。

他の通常の携帯電話にないメリットを見出せるかどうかが買いのポイント

 F1100は従来のWindows Mobileを搭載した機種と比べると、とても携帯電話を志向した意欲的な機種となっている。ただ、やはり、携帯電話と比べると操作の安定性や、操作性の部分で不安が残った。携帯電話の操作性に慣れていると違和感を感じるだろうし、だからといってパソコンと比べると、かなり非力で自由度も低い。もちろん、通常の携帯電話と比べると、より自由にアプリケーションを追加でき、プリインストールされている機能と差別なく利用できるようになるのは魅力的だ。そういった部分にどこまで魅力を感じるかが、この機種を検討する上でのポイントとなるだろう。

 追加できるアプリケーションとしては、このレビューにも利用している画面をキャプチャする「KTCaptSP」やアプリケーションの起動を簡単に行えるようにするランチャー&タスクマネージャ「KTPocketLaunch2」、コピー&ペーストやクリップボード履歴&キーワード挿入を支援する「EasyClip」、動画プレイヤー「TCPMP」、辞書ツール「EBPocket free」および「pDice」というように無料で利用できるアプリケーションもだいぶ揃ってきている。

 もちろん、初期状態のままでもそれなりに使えるのだが、こういったアプリケーションを追加することで、自分の使いやすいようにカスタマイズしたり、自分のやりたい機能を追加したりするのが醍醐味と言えるだろう。

著 者

memn0ck(めむのっく)

 1976年東京生まれ。「めむのっく」はハンドル名。ケータイ・モバイル情報マニアで、小さなデジタルガジェットに目がない。趣味でケータイ・モバイル関連の個人ニュースサイト「memn0ck.com」を運営しているが、日常は白衣を着た理系野郎をやっている兼業ライター。



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