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2008年05月02日(金) 00時00分

宍道湖のシジミ密漁の罰金10倍に、最高200万円朝日新聞

 全国一のシジミ漁獲量を誇る宍道湖(しんじこ)から密漁を根絶しようと、島根県はシジミ漁に許可制を導入し、罰金を最高200万円に引き上げる方針を決めた。従来の漁業法違反(漁業権の侵害)に基づく罰金は最高20万円。一晩の密漁で稼ぐことも可能で、漁業関係者から「罰金が軽いから密漁が絶えない」との声が強まっていた。

 松江市、出雲市、斐川(ひかわ)町にまたがる宍道湖のシジミ漁獲量は06年で約6400トン。73年のピーク時に比べると3分の1に減少しているが、国内産の5割近くを占める。乱獲防止のため、漁業権をもつ宍道湖漁協は「操業は週4日、1日3〜4時間」「1日の水揚げは120キロまで」などの自主規制をしているが、深夜の密漁は後を絶たない。

 漁協が県警に告訴した件数は05年が21件、06年は10件。07年5〜6月に県警が逮捕した4人は、1日で255キロ(19万円相当)を密漁していた。

 4月に施行された改正漁業法と水産資源保護法は密漁対策として、水産物を特定した漁の許可権限を都道府県に付与。これを受け島根県は、県内水面漁業調整規則改正案に宍道湖と神西(じんざい)湖(出雲市)でのシジミ漁を許可制にすることや密漁者に3年以下の懲役か200万円以下の罰金を科す内容を盛り込んでいる。

 漁協の高橋正治参事は「密漁の常習者にとって、20万円はもうけの一部でしかない。罰金の引き上げが密漁の抑止につながってほしい」と期待を寄せる。(徳島慎也)

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200805010104.html