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2008年05月02日(金) 00時00分

原材料表示「国産または…」味の素、冷凍ギョーザでルール違反読売新聞

 食品業界大手の味の素(本社・東京)が販売する冷凍ギョーザの原材料表示に、国産をイメージさせる「優良誤認」の疑いのあることが2日わかった。

 国産の野菜や肉の代わりに、中国産などの輸入食材を使う可能性があるのに、表示上は「キャベツ(国産又(また)は中国)」などと「国産」の表記を残している点が「消費者に誤解を与えかねない」と農林水産省から指摘された。味の素は、表示の見直しを含めた対応を検討中だ。

 このギョーザは、子会社の味の素冷凍食品が国内で製造し、味の素が販売するベストセラー商品。中国製冷凍ギョーザの中毒事件をきっかけに、原産地について消費者の関心が高まったのを受け、今年3月から産地表示をパッケージの一括表示欄で自主的に始めた。原材料のうち、キャベツ、タマネギ、豚肉、鶏肉については、調達状況に応じて原産地を頻繁に切り替えている。その際、パッケージの印字を変えるのが難しいため、「たまねぎ(中国又はアメリカ又は国産又はオーストラリア)」などと表示していた。

 このうち、問題になったのは複数表示された原産国の中に「国産」が含まれた、キャベツ、タマネギ、豚肉の3事例。農水省によると、国産原料は、輸入原料に比べて高値で取引される場合が多いことや、品質が良いイメージがあり、「国産を含めた『又は』の表示は、消費者が優良誤認する可能性が高く、一般的には認められない」(同省表示・規格課)としている。

 日本農林規格(JAS)法では、ギョーザのように加工度の高い食品については原産地表示を義務づけていないが、最近は自主的に表示する動きが出ている。同省は今年3月、同法の品質表示基準に基づき、国産原料を使用した場合、「又は」の表示はできないとする注意点を示した手引書を業界団体に通知していた。味の素広報・CSR部は「消費者に誤解を与える意図はなかった」と話している。

 優良誤認 商品の品質などが、実際のものより著しく優良であると消費者に誤った認識を与えること。公正な競争を阻害する恐れがあり、優良誤認させる表示は、景品表示法などで禁止されている。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20080502gr07.htm