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2008年05月02日(金) 09時56分

【首都圏温泉銭湯探訪】炭酸水素塩泉・桜館ツカサネット新聞

地震の多い日本列島は、一方で温泉大国ともいわれている。ビルの林立する東京でも温泉は数え切れないぐらいあり、また現在も新たに掘られている。それは同時に、日本人が温泉好きということでもある。温泉というと、ひなびた所へ転地療養というイメージが強いが、たとえば首都圏の中にも温泉は実はかなり多く存在するのだ。

さて、東京23区の中で、もっとも温泉が多い地区をどこかご存じだろうか。東京湾に面した大田区である。中でも池上本門寺のある池上は、久松温泉、池上温泉、桜館など、銭湯でありながら温泉ガイドブックでもお馴染みの名泉が集中している。本稿は、その中の桜館をご紹介したい。

東急池上線・池上駅から本門寺方向と反対の方向にバス通りに沿って5分ほど歩くと、「桜館」という塔のたった特徴ある建物が見えてくる。

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同温泉銭湯の特徴は、純養褐層泉、いわゆる黒湯が楽しめる。そして、浴室が「壱の湯」と「弐の湯」に分かれ、月の上旬と下旬で男女が入れ替えで利用できるようになっている。

どちらも外が見える露天風呂なのだが、「壱の湯」は屋上にあるいわゆる展望風呂である。月を眺めながらゆったりと温泉を堪能できる。薬草風呂、バイブラバス、ジェットバス、高温サウナ、スチームサウナ、水風呂、電気風呂、さらに涼み所の屋上ガーデンなどが設置されている。

「弐の湯」は、浴室まで外の桜の木の枝が顔を出しており、やはり薬草風呂、バイブラバス、ジェットバス、フィンランド式本格サウナ、水風呂、電気風呂、冷温泉シャワーなどが用意されている。

泉質は成分総計1.105gのナトリウムー炭酸水素塩泉という。温泉法第2条(定義)によると、指定された物質が1つでも含まれている「鉱水及び水蒸気その他のガス」は温泉になるが、溶出物質の量は1キロ中1mg以上となっている。そのうち、溶存物質量が温泉1kg中1gに満たないものを単純温泉と定義されるが、その数字を上回る桜館はなかなか「濃い」温泉といえる。ちなみに、かの有名な草津温泉の溶存物質は温泉1キロ中、1.6759gという。

浴室以外には、付帯設備としてメインホール(舞台完備)、宴会場や麻雀ルーム、マッサージルーム、ゲームコーナー、スナックコーナーなどがある。タオルやガウンなども貸し出す。一昔前の健康ランド、ヘルスセンターといった名称を思い起こす。

黒湯の露天風呂目的に、池上本門寺を訪れた帰りに訪れてみてはいかがだろうか。



◆桜館
東京都大田区池上6−35−5
03−3754−2637
営業時間 12時〜24時30分(平日)
10時〜24時30分(日曜日、休日)
大人430円 小人180円



(記者:顰見倣)

■写真
写真撮影:顰見倣記者

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