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2008年05月02日(金) 00時00分

大音量の音楽授業で精神的苦痛、学校に賠償命令朝日新聞

 小学校の授業で音楽を大音量で流され、苦情も受け入れられず精神的苦痛を受けたとして、当時5年生だった大阪市の少女(16)が、学校を管理する津市などに慰謝料など1100万円の賠償を求めた訴訟の判決が2日、大阪地裁であった。稲葉重子裁判長は、学校側の対応について「不適切」と判断。「クラスの大多数の意見を代弁しているつもりだった少女を孤立させた」として、少女に170万円を支払うよう市に命じた。

 判決によると、音楽担当の女性教諭は02年、「音楽を体感させる」として、教科書の掲載曲「雲のきょうりゅう」のCDを大音量で3回流した。少女は「頭が痛い」と訴えて保健室に駆け込み、帰宅後も気分がすぐれずに寝込んだ。学校側に苦情を申し出たが、校長は少女を相談室に長時間留め置き、担任教諭はともに苦情を言いに行こうとした同級生を制止した。少女はその後、登校拒否になり、不安神経症と診断された。

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200805020070.html