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2008年05月02日(金) 18時01分

硫化水素自殺:洗剤など大量購入者、通報を 県・関係団体に要請 /山口毎日新聞

 硫化水素による自殺が全国で相次いでいる問題で、県が薬剤師会や薬種商協会など関係4団体の会長に対し、入浴剤や洗剤を大量に購入しようとする人や挙動不審者らに安易に売らず、状況次第で警察通報を求める文書を送付していたことが分かった。県教育庁も1日、県内の全公立学校に洗剤や薬品を適正に管理するよう注意喚起した。【長谷川隆、井上大作】
 県薬務課によると、県薬剤師会などへの通知は4月25日付。薬局や薬店の店頭で、入浴剤や洗剤を大量購入しようとしたり、不自然な挙動の客がいれば使用目的を尋ねたり、場合によっては販売を控えて警察に通報するよう求めた。
 県薬剤師会は3月18日付で会員に注意を促すメールを送るなど対策に乗り出したが、インターネットでも購入できるため完全には目が届かないのが実情。家族や周辺住民らが被害に遭う危険性もあり、同課は「2次被害を防ぐための対応も重要だ」と強調している。
 ◇薬品の適切管理を 教育庁が文書送付
 また、県教育庁も県内各市町の教育長あてにトイレ洗剤の適切な管理などを求める文書を送付した。(1)洗剤の適切な使用や管理(2)理科薬品の適正な保管(3)理科の実験で有毒気体が発生する場合の十分な換気と生徒への注意の徹底(4)実験でできた硫化鉄の回収や廃液処理——の4項目で、県学校安全・体育課は「硫化水素を使った子どもの自殺は県内では起きていないが、興味本位で事故を起こすことのないよう徹底したい」としている。
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 ■今日のことば
 ◇硫化水素
 腐った卵のようなにおいがする無色の気体で火山ガスなどに含まれる。金属の精製や農薬の製造などに使われる。皮膚や粘膜を刺激し吸うと呼吸器系に障害を及ぼし酸欠状態を起こす。山口市で4月28日、男性が洗剤と入浴剤を混ぜ自殺した。
〔山口版〕

5月2日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000311-mailo-l35