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2008年05月02日(金) 14時01分

桑折町の硫化水素殺人未遂:直前に洗剤を購入 無理心中図ったか /福島毎日新聞

 桑折町南半田で1日、硫化水素で同居の母親を殺そうとしたとして三男の農業、松野信也容疑者(49)が逮捕された殺人未遂事件は、硫化水素が“凶器”に利用され、無理心中を図った可能性も出ている。桑折署は、直前に洗剤を購入するなど計画的な面もうかがえるとして、動機などを慎重に調べている。
 同署の調べによると、松野容疑者は事前に近所の店で洗剤を購入し、ガスの発生法も知識を得ていたとみられる。他の家族を巻き込まないように、ガスの発生を知らせる張り紙を玄関に張ったらしい。父親(80)は「(30日の)朝から息子の様子がおかしかった」と話し、様子を見ようと母親の敏子さん(82)の部屋を訪れたところ、バケツに洗剤を入れようとしている松野容疑者を発見したという。
 松野容疑者は「まじめな性格」と近所でも評判で、住民は事件に「まさか」と口をそろえた。近くに住む男性は「体の弱い父親に代わって母親の面倒をよく見ていた」と話し、別の女性(68)は「農作業が忙しい時も帽子をとって深々とお辞儀し、人を殺すような人ではないはず。何か相当の理由があったのでは」と信じられない様子だった。【今井美津子、神保圭作】

5月2日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000115-mailo-l07