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2008年05月02日(金) 12時01分

硫化水素自殺:3月以降、5件6人に 県警、腐乱臭に注意呼び掛け /宮城毎日新聞

 硫化水素を使った自殺が全国で相次いでいる問題で、県警捜査1課は1日、県内でも3〜4月に5件発生し、県内外の男性6人が自殺したと発表した。20代が4人、40代が2人だった。ガス漏れなどによる近隣住民への被害はなかったが、「卵が腐ったようなにおいがする場合には不用意に近づかないで」などと注意を呼び掛けている。
 同課によると、6人は車や自宅、物置内で市販品を使って硫化水素を発生させ自殺した。通行人や帰宅した家族が気付いて通報した。2次被害はなかった。「毒ガス注意」との内容の張り紙をしている例もあったという。
 県内では3月以前に硫化水素自殺は確認されていない。県警はインターネットで手口を知るなどして、「自殺の連鎖」が県内にも及んだとみている。
 硫化水素による自殺は、特に今年2月以降に多発して社会問題化しており、栃木県二宮町では4月19日、男性店員(28)が車内で自殺し、巡回中に発見した警察官2人が病院搬送された。厚生労働省が薬局・薬剤業界4団体に注意を促す文書を送ったほか、警察庁は同月30日、硫化水素を自殺目的で発生させる方法を紹介したインターネット上の書き込みを「有害情報」に指定し、プロバイダーなどに削除要請している。
 硫化水素は毒性が強いうえ、空気より重く、マンションなどで発生階の下の人が巻き添えになる恐れも指摘されている。県警は2次被害を防ぐため、「腐乱臭がする場合は近づかない」「硫化水素を吸い込むと嗅覚(きゅうかく)がまひするため、まず避難して通報してほしい」などとしている。今月中にも県内全署に防毒マスクを配備する方針。
 また、県内で、自殺志願者らの悩みを聞く活動は社会福祉法人「仙台いのちの電話」(電話022・718・4343=24時間対応)などが行っている。【比嘉洋】

5月2日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080502-00000019-mailo-l04