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2008年05月01日(木) 13時00分

一夫多妻制教団の「妻たち」:奇妙なインタビュー動画WIRED VISION

4月3日(米国時間)に当局の強制捜査を受けた、テキサス州を拠点とする一夫多妻制の教団『末日聖徒イエス・キリスト教会原理派』[FLDS。モルモン教の分派で、モルモン教が1890年に一夫多妻制を放棄した後に分離した。信徒は1万人程度とされる]。この教団に属する3人の女性が、最近行なわれた『ABC News』によるインタビューの中で、奇妙な振る舞いを披露した。その動画が『YouTube』に掲載されている。

この異様な動画の中で、Nancy、Marie、Estherという名の女性たちは、非常に良く似た、歌うような声で質問に答え、ほぼ声をそろえて話している。

おそろいの服をまとい、1880年の世界からタイムマシンでやってきたかのように見えるこの女性たちは、『スタートレック』と『大草原の小さな家』を組み合せたような不気味な雰囲気を醸し出している。

彼女たちは、非常に穏やかな口ぶりで、強制捜査を非難した。この捜査で、当局は416人の子供を保護しており、『Yearning for Zion Ranch』(理想郷を切望する農場)と呼ばれる施設で実際に何が行なわれていたのか、真相を究明しようとしている。[強制捜査は、「未成年者を性的に虐待している」との疑いで行なわれた。教団の指導者は昨年11月有罪判決を受けていた。]

「何の説明もなしに捜査されました」と、Estherさんは話す。「銃口を突きつけられ、文書の提示も一切ありませんでした。私たちは動物のように扱われました。そして、子供たちが連れて行かれました」

この5分間のインタービューの中で、女性たちは、FLDSの教義に基づいた彼女らの生活様式を弁護している。また、強制捜査のきっかけとなった疑惑は誤りだと主張しており、インタビュアーから、この「囲い地」(compound)[「捕虜や家畜などを収容する、囲いをめぐらした敷地」の意味で使われる言葉]で未成年の少女たちが結婚させられているのを知っているのかと問われると、(非常に礼儀正しく)怒りをにじませた。

「ここは囲い地ではありません」と、Marieさんが信じがたいほど奇妙な微笑みを浮かべながら答えた。「ここは私たちの農場であり、わが家です」

この事件が裁判でどのように展開していくのかはまだ不明だが、このインタビューでは、完全な別世界がどのようなものなのかを垣間見ることができる。勇気があるなら、観てみよう。

なお、YouTubeでは、上の動画をベースにしたダンスミュージック・マッシュアップも登場している。「ここは囲い地ではありません、わが家です(it's not a compound,it's our home)という文句を、視聴者の脳に焼き付けるような作品だ。

作ったのはArt of BleedingのRev. Al Ridenour氏。気味の悪い動画インタビューに見事な編集を行ない、ほとんど踊れそうな作品になっている。YouTubeから取り下げられる前に見ておこう。

[この記事には、別記事の内容も統合しています。]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080501-00000001-wvn-sci