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2008年05月01日(木) 10時00分

渋谷の夫バラバラ 歌織セレブ妻に懲役15年日刊ゲンダイ

 東京・渋谷のマンションで外資系社員の三橋祐輔さん(当時30)を殺してバラバラにして殺人と死体遺棄などの罪に問われたセレブ妻こと歌織被告(33)の判決公判が28日午前、東京地裁で開かれ、河本雅也裁判長は懲役15年を言い渡した。
 公判では検察側、弁護側双方の鑑定医が夫殺害時の歌織について「短期精神病性障害で心身喪失状態だった」と診断。責任能力の有無について裁判所がどう判断するかが注目されていた。
 事件発生から503日間、13回に及んだ公判の終盤では、歌織を凶行に走らせた最大の“引き金”が、夫から凄まじいDVを受けていたこと、そのDVには性的暴行も含まれ、その場面を撮った写真をバラまくと脅されていたことなどが明かされた。また、その後の鑑定医の問診にも「血を流す女性が見え、『助けて』と声がした」などと弁護人にも話していなかった幻覚体験を語った。最終意見陳述でも、女性の声について「『カオリ』か『マミ』か分からなかった」などと犯行時の“二重人格”を強調。場合によっては「無罪」の可能性もささやかれていた。
 しかし、判決で、裁判長は動機について「夫との地獄のような生活から逃れたい、終わらせたいと考え、とっさに殺意を抱いた」と指摘したが、「完全な責任能力に疑いはない」と述べた。
 この日の歌織は、白ずくめの薄手のセーターにベスト、ジャージー姿で、背中まで伸びた髪をかき上げ、赤いハンドタオルを握り締めながら判決理由に聞き入っていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080501-00000003-gen-ent