記事登録
2008年05月01日(木) 00時00分

足立の8公園相次ぐ金属盗読売新聞

側溝のフタ、手すり、水道の蛇口まで…

 足立区内の公園で、ステンレス製の側溝のフタや手すりなどの金属製品の盗難が相次いでいる。被害は8公園で総額約70万円相当にのぼり、中にはトイレ手洗い場や水飲み場の蛇口まで盗まれたケースも。区は、綾瀬署や西新井署に被害届を提出、両署は窃盗容疑で捜査を開始した。区内では昨年5月にも、公園や歩道でステンレス製のトイレの扉など総額約45万円相当の金属製品が盗まれる事件が起きており、区の担当者は頭を抱えている。

 同区公園課によると、被害が発覚したのは24〜28日。東部地区の佐野、六木、東和、西部地区の谷在家、西新井、南部地区の鹿浜、扇と、被害は区内全域の公園に及んでいる。

 盗まれたのは、公園の出入り口やトイレ内に設置された側溝のフタ(ステンレス製)12枚、トイレ手洗い場や水飲み場の蛇口部分9個、水飲み場の手すり(ステンレス製)2個。

 水道の蛇口は、別の場所にある止水栓を閉め、水が噴き出さないようにしたうえで工具で外されていた。トイレは毎朝、清掃業者が掃除に来ており、公園課では「設備を把握している者が、夜から早朝にかけて盗んだのではないか」と推測している。

 公園課では、常備してある資材ですぐにほぼ復旧したが、一部は資材が調達できなかったため、張り紙で利用者に注意喚起。同課は「側溝のフタが外れていれば、夜などは、足を踏み外してけがをする危険もある。被害額も大きいし、非常に迷惑」と話している。

 工事現場や公園などから、金属製品が盗まれる「金属盗」の被害は数年前から急増している。昨年5月には、北海道室蘭市の公園では、滑り台の滑り面(ステンレス製、重さ65キロ)が盗まれたことが判明。同11月には、横浜市の市立公園で、同じくステンレス製の車止め13本が被害にあった。

 北京五輪に向け建設ラッシュが続く中国や、急激な経済成長を続けるインドの金属需要が増えたことに加え、将来の値上がりを見越した投機マネーも金属市場に流入。鋼材価格が高騰したことを背景に、転売目的の盗難が増えているとみられる。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20080501-OYT8T00091.htm