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2008年05月01日(木) 00時00分

バイキングなのにお代わり禁止 京大の学食に不満の声朝日新聞

 京都大生協が吉田キャンパス(京都市左京区)の三つの食堂で4月から始めた「朝食バイキング」(税込み385円)が、学内で物議を醸している。学生の健康に配慮してお代わり禁止なのに対し、「バイキング=食べ放題」と考える学生から不満の声があがっているのだ。

おかずやご飯を山盛りにする学生=4月24日、京都市左京区の京都大、上田潤撮影

 朝食バイキングは平日朝8時〜10時半に食べられる。ちくわの照り焼き、ジャガイモの甘辛煮、ホウレンソウのおろしあえ……。和風中心の10品前後のおかずから何品でも自由に選べる。ただ、おかずの取り皿は1枚、ご飯と汁も1杯限りで、レジで支払い後はお代わりができない。

 京大生協は「ワンウェイ方式」と名づけている。

 バイキングは帝国ホテル(東京)が北欧の形式を参考に50年前に始めたとされる。広辞苑は「各種の料理を並べ、客が好みによって自由に取り分けて食べる形式」と説明し、お代わりには触れていないが、「好きなものを好きなだけ食べられる方式」とする辞書もある。

 生協の昨年の調査で、下宿している京大生の朝食摂取率は前年より6ポイント近く下がって59.6%となり、全国平均の61.3%を下回った。このため生協は、健全な食習慣とは何かを学生に考えてもらおうと、定食型だった朝食を改め、自分でおかずを選べるバイキングを始めた。

 お代わり禁止について、中島達弥・食堂部門統括店長は「朝食としての適量がある。取り過ぎれば元も子もない。多くの学生が適量以上に取ると、原料価格が高騰している折、コスト的にも厳しくなる」と説明する。

 そんな「親心」を知ってか知らずか、男子学生らはご飯やおかずをてんこ盛りにして対抗している。大学院人間・環境学研究科修士2年の男性(24)は「昼食をとらないので、ご飯は盛れるだけ盛る。おかずの皿をもう少し大きくしてほしい」。ほぼ毎朝、生協で食べるという理学部2年の男性(19)は「1回では十分に盛れない。バイキングと言えるのか」と不平を口にする。

 生協は「ワンウェイ方式」を少なくとも7月末まで続け、必要があれば改善を検討するという。(小林正典)

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805010047.html