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2008年04月30日(水) 19時01分

心疾患招くトランス脂肪酸の含有率、雪印製がワースト1MyNewsJapan

 トランス脂肪酸はマーガリンなどに含まれており、多量に摂取すると人体に有害な影響を与える成分。その危険性は多々指摘されている。

 国際機関の「WHO(世界保健機関)/FAO(国際連合食糧農業機関)合同専門家会合」は2003年、トランス脂肪酸について「摂取すると悪玉コレステロールを増加させて、さらに善玉コレステロールを減らし、虚血性心疾患のリスクを高めることがわかっている」と報告。さらにアメリカの食品医療品庁(FDA)や「欧州食品安全機関(EFSA)」も同様の報告をしている。

 WHOは、トランス脂肪酸の摂取を、摂取エネルギーの1%未満(1日摂取量約2グラム)にするよう2003年に勧告。世界各国でも規制に動き出している。

 デンマークは、2004年1月1日からトランス脂肪酸の含有率が2%を超える加工食品の販売禁止。カナダやアメリカ、韓国などでもトランス脂肪酸の含有量の表示が義務付けられた。それに比べ日本では、表示はおろか、マーガリンにトランス脂肪酸が含まれているということすら知らない国民も多い。

 そこで、日本の家庭用マーガリンの主要メーカー7社に対しトランス脂肪酸含有量を取材し、ワースト商品をランキングした。

 取材したメーカーは、雪印乳業、マリンフード、生協、明治乳業、J−オイルミルズ、小岩井乳業、月島食品工業の7社。対象となるマーガリン商品は、全部で59商品。メーカー別の商品数の内訳は、雪印20、マリンフード18、生協8、J−オイルミルズ5、明治乳業4、小岩井乳業3、月島食品工業1。

 各メーカーは、積極的に公開はしていないが、問い合わせをする消費者や取材に対しては、個別に数値を教えている。その数値に基づきランキングした。生協のように、全マーガリン商品の数値をHP上で公開しているケースもあれば、マリンフードのように非公開の会社もある。ワーストランキング10位までは表の通りだ。
 
 家庭用マーガリンのワーストランキングの第一位は、『雪印 Sマーガリン』で、含有量は16.0%。ワースト2位は『雪印 ネオマーガリン』の14.0%、ワースト3位は生協の『コープ コーンソフト100 バターの風味』13.5%などとなった。

 一般的にパン一枚にぬるマーガリンの量は10グラム程度といわれる。WHOの勧告である一日2g以下の摂取量に基づくと、ワースト上位の商品なら、多めにぬればパン一枚で基準値オーバー。平均的な食べ方でも、2枚食べたら優に過剰摂取となってしまう。消費者は注意が必要だ。

 また、取材した7社のうち、大阪に本社を置くマリンフードは、唯一非公開だった。同社は、学校給食向けのマーガリンなどを販売しており、公的な要素のある商品を扱っているにもかかわらず、「数値は一切非公表」の一点張り。数値を明らかにしない以上、消費者にとっては、前述のワーストランキングとは別格に位置する、買ってはいけないマーガリンと言わざるを得ない。

 マリンフード本社に非公開の理由を聞くと「理由は特に無いですけど、一般的にはそれほど大きく騒がれているわけでもないし、会社の方針として、特にオープンにしていない。法律的に規制していないので、オープンにはしていない」と答えた。

(佐々木敬一)


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