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2008年04月30日(水) 18時50分

大塚美容整形のカウンセリングへ、あごと鼻で見積り164万円MyNewsJapan

 フジテレビ『ビューティー・コロシアム』(容姿コンプレックスを解決していく視聴者参加番組)に出ている美容外科医がいる、大塚美容整形外科の対面無料カウンセリングに出かけてみることにした。電話での申し込み時、「できるだけ早いほうが」と伝えると、翌日のアポがとれた。

 当日、受付で「今日はどこが?」と聞かれ、「顔とか」「全体的に」と答えた。3枚の用紙(アンケート用紙、診断相談申込書、手術前問診票)、宣伝冊子を手渡される。

 待合室を見渡すと、ゆったりした緑色のソファに9人、そのほかのイスにわたしを含めて6人ほどが待っていた。女性ばかりで、年齢は20代から50代。隣に座った2人は母娘のようだ。男性も後から2人入ってきた。

 待合室に流れる空気は、通常の病院とまったく違っている。一部にちょっとぴりぴりした感じもあったが、暗さはまったく感じない。かといって、和やかな感じでもない。はじめて感じる空気だ。

 病院の待合室だと、「どこが悪いの?」と聞いてくるおしゃべり好きな人、自分の病気のことを語ってくる患者に出くわすことがある。だが、ここで「今日は?」という空気はまったくない。

 待っている人の服装を見ると、ダサイ人はまったくいない。持ち物はブランドバック、財布をはじめ、高級志向だった。メスを使わない、短時間で終わる、費用も安めの「プチ整形」を受ける人たちが多いのかなと思った。

 診断相談申込書の注意事項に、「大体の予定」「一度で目的を達成しない」「主観的100%の出来映えを求めない」「手術の結果の保証は不可能」「自発的に、積極的にご自身の意志の選択による自己決定」など書かれてあった。

 呼ばれて部屋に入ると、半田俊哉副院長が座っていた。まず、病歴から聞かれた。「変わった顔」の原因(アクロメガリー)を半田副院長は納得したようだった。

 いきなり「いちばん気にされているのは?」と質問され、「前の顔にもどるのかなというのが聞きたかったので。……あごとかも出たので」と答えた。

半田「あごは上下方向、前後方向あるんだけど、どっちともあるていど出ていると思うんですけど。上下方向を短くしたりとか、先端が出ていると思われれば、それを下げたりとかは可能ですけどね」

 その手術はオトガイ形成(全身麻酔)と言って、1時間もかからないという。

 「全体に顔が大きくなったので。鼻とかいろんなところが出たので」

 全体的に小さくというのは難しく、「治せる部分、治せない部分がある」とのこと。

半田「鼻先が下がっている感じがあるんですけど、それはあまり気にしない?」

 「うーん・・・」

 鼻先が下がっている事実を美容外科医に教えてもらった。その後、鏡を見ながら、手術の説明をくわしくしてもらった。話を聞いているだけで、痛そうな手術だと思った。

 あごを短くしたら、そこのヒフはどうなるのか聞いてみると、「あまる」という。そのだぶつきは、最終的にやってみないとわからないとのこと。あごを短くしても、「今度はここが気になってきた」「次はここ」「またあそこ」というように、美容整形は繰り返されるのかなと思った。

 そのほか、鼻の飛び出ているところを削る「わし鼻削り」、鼻先をあげる「鼻尖拳上術」の説明を受けた(いずれも局所麻酔)。

 20分のカウンセリング終了後、女性スタッフがあご、鼻の手術3種類の料金内訳を説明してくれた。トータルで164万3250円。「今日でも予約はできます」と言われたのだが、そんな即決で決められるような手術ではない。金額でもない。

 カウンセリングといえば、悩み相談をイメージするが、今回の美容外科では手術説明、"見積り"の説明に終始した。顔のコンプレックス、心の悩みを聞いてくれるような感じはなし。わたしも20数年の悩みを20分そこらで、そうそう伝えられるものではない。

 いままで脳腫瘍の手術を4回してきて、自分のからだは、技術、才能、経験、そしてハートのある医師に任せたいと思ってきた。美容整形も同じ。そんなことをさらさら期待していなかったが、それでも半田医師は、あまり知られていないわたしの病気のことも知っていたし、事務的、機械的な対応だったとも言えない。

 だが、心に寄り添い始めると、顔ビジネスは成り立たないと思った。

(山中登志子)

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