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2008年04月30日(水) 19時20分

「硫化水素の発生方法」ネットから削除要請へスポーツ報知

 硫化水素自殺の多発を受け、警察庁は30日、「簡単に死ねる」などの表現とともに硫化水素の発生方法を記したインターネット上の書き込みについて、周囲を巻き込んだ傷害や傷害致死事件を誘発するとして「有害情報」に指定した。民間団体を通じ、プロバイダー(接続業者)やサイト管理者に削除を要請する。

 自殺者の多くがネット情報を参考にしているとみられ、周辺住民や消防署員、警察官など第三者に被害が及んだり、死亡させる恐れがあると判断した。ただし、実際には学術目的での記載もあるため、化学式や特性などの情報に加え「簡単に作れる」「確実に死ねる」などといった表現があることを要件とした。

 警察庁は「要請に強制力はないが、少しでも二次被害拡大に歯止めをかけたい」としている。

 全国の警察などが1月以降に公表した硫化水素自殺は少なくとも70件以上で今年に入り急増。4月23日には高知県香南市で女子中学生が自宅で自殺、周辺住民14人が入院し、約120人が避難するなど、第三者が被害を受けるケースが多発している。

 復讐(ふくしゅう)請負、薬物取引などの有害情報をめぐっては2006年6月から、警察庁が委託した民間団体「インターネット・ホットラインセンター」が一般からの情報を受け付け、プロバイダーやサイト管理者に削除要請する制度が始まった。

 硫化水素の発生方法については、神奈川県警や京都府警などがすでに独自にプロバイダーへの削除要請を行っている。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080430-OHT1T00234.htm