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2008年04月30日(水) 23時00分

「ガソリン売り切れ」が続出=元売りに追加注文殺到時事通信

 ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率復活を5月1日に控え、「最終日」となる30日は少しでも安いガソリンを給油しようとするドライバーが給油所に列を成し、各地で「売り切れ」が続出した。これを受け、石油元売り各社には系列給油所から追加の配送を求める注文が殺到。「復活」ぎりぎりの深夜まで厳しい対応を迫られた。
 元売り各社は復活前日となる30日について、「駆け込み需要がピークに達する」と警戒。出光興産が通常の90%増、新日本石油も80%増など、保有するタンクローリーをフル稼働してガソリンを配送する計画を策定していた。
 しかし、実際の需要は「想像を超える規模」(元売り関係者)まで増加。このため元売り各社には、朝から「在庫がもう持たない」などとする追加の注文が殺到した。「夕方になっても(追加注文の)電話が鳴りやまない」(別の関係者)状況だという。東京の環状8号線沿いの給油所では、「あしたから高くなるので会社が終わってから急いで入れに来た」(30代会社員)などと、深夜まで40台の車が並んだ。
 ただ各社とも、「これ以上配送を増やすことはできない」(同)ところまできており、給油所からの注文を断るケースも。このあおりで、5月1日分の注文も通常の連休を10〜50%上回っており、1カ月間続いた「暫定税率騒動」は最後の瞬間まで、消費者だけでなく石油業界全体を混乱に巻き込んだ。 

【関連用語】 「暫定税率」
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