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2008年04月30日(水) 22時45分

値上げ?据え置き?ガソリンスタンド右往左往読売新聞

 5月1日からのガソリン税の暫定税率の復活が決まった30日、各地のガソリンスタンド(GS)は、駆け込み給油や値上げの準備に忙殺され、暫定税率の期限切れ寸前の1か月前と同じ光景が繰り返された。

 ゴールデンウイーク後半は当面価格を据え置くGSにドライバーが殺到する混乱も予想される。「本当に明日から値上げするの?」。都内のGSではドライバーが店員に確認する姿も見られ、客とGSとのさぐり合いはしばらく続きそうだ。

 1日からレギュラーガソリン1リットルあたり31円の値上げに踏み切る東京・江戸川の「いちごはうすSS」は夜まで給油の順番待ちが並ぶ混雑ぶり。暫定税率が上乗せされてないガソリンをこの日だけで3万2000リットル仕入れたが、夕方までにほとんど底をついた。大庭一真店長は「4月初めの安売りで30万円近い赤字を抱えた。背に腹はかえられない」と話した。

 当面価格を据え置く店もある。東京・新宿の「大家商店アクア新宿SS」はタンクの在庫がなくなる4日ごろまで値上げしない方針。値下げをしたのも4月4日からで、店員の鈴木正彦さん(47)は「税金だから店の取り分とは関係ないし、正直にやるということ」と淡々と話した。

 杉並区の青梅街道沿いにある出光系のセルフ式GS「プリテール荻窪」は4月中に4回も価格を変更した。暫定税率のかかった在庫が残っていたが、値下げに踏み切った周辺店との間で20円近い開きがあるため4月2日の午後から値下げし、その後も他店の価格を気にしながらの営業が続いた。

 業界歴10年超の松江孝司・マネジャー(38)は「1か月でこうも差の大きい変動は初めて。莫大(ばくだい)な損失をかぶった事業者もいるのではないか」とあきれ顔。実際、給油に来た客が「明日から本当に値上げするの」と店員に尋ねる場面もあり、松江さんは「他店の動向を見て決めることになる」と語った。
 インターネット上でガソリンスタンドの価格情報を掲載している「gogo.gs」はここ数日、通常の5倍程度の1日約70万件のアクセス数を記録している。1か月のうち数日間、アクセスが殺到してサイトが開けないトラブルもあったが、運営者の小川智史さん(37)は「サイトの認知度が高まったのはプラス」と笑顔だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080430-00000058-yom-soci