記事登録
2008年04月30日(水) 11時55分

<米国>高騰ガソリン減税議論 与野党で急浮上…需要期控え毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】原油価格が1バレル=120ドル目前の水準まで高騰する中、米国でもガソリンやディーゼル燃料への税免除を求める議論が活発化してきた。共和、民主両党内で減税論が浮上したのを受け、ブッシュ大統領は29日、「エネルギー価格高騰への対策についてはあらゆる提案に耳を傾けたい」と言明。夏場の需要期を前にガソリン減税策が動き出す気配を見せている。

 税免除の議論の口火を切ったのは共和党の大統領候補ジョン・マケイン上院議員。15日の演説で「勤労世帯がガソリン高騰に苦しんでいる」と強調、「夏場のドライブシーズンに入る5月末から9月初旬までガソリン税を免除すべきだ」と訴えた。これに対し、民主党のヒラリー・クリントン上院議員の陣営も、ガソリン税の一時凍結を求める広告を作成。税収の落ち込みによる財政悪化を防ぐため、「大手石油会社の利益の一部をガソリン税(引き下げ)の代わりに充てるべきだ」との主張も展開している。

 米国では原油価格高騰のあおりでガソリン小売価格の上昇に歯止めがかからず、米エネルギー省が28日に発表した最新の全米ガソリン平均小売価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり3.603ドルと5週連続で史上最高値を更新した。前年同期比では63.2セントもの値上がりで、05年初めに比べほぼ倍の水準。軽油も1ガロン当たり4.177ドルと最高値を付けており、1ガロン当たり18.4セント課税している連邦ガソリン税に対する引き下げ圧力が、日本の揮発油(ガソリン)税同様、高まっている。

 ブッシュ大統領は29日の記者会見で「エネルギーや食品価格の高騰が、多くの国民の家計に悪影響を与えているのはよく分かっている」と述べた上で、「マケイン上院議員の免税提案も含めて、いかなる提案にも耳を傾けたい」との方針を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080430-00000032-mai-int