記事登録
2008年04月30日(水) 01時07分

<フィルタリングサービス>出会い系サイト、中高生被害続発毎日新聞

 警察庁によると、出会い系サイトに関係して警察が昨年、容疑者を逮捕、書類送検するなどした事件は1753件で、前年に比べ162件(8.5%)減少した。しかし、18歳未満の被害者は1100人と前年(1153人)並みで、96.5%は携帯電話で出会い系サイトにアクセスしていた。848人は小中高生で、小学生女児も2人含まれていた。

 事件の内訳は、児童買春・児童ポルノ規制法違反が760件(43.4%)で最多。強姦(ごうかん)43件、強制わいせつ15件、強盗21件などもあった。03〜06年に計11件も殺人事件が起きている。

 警察庁は「性犯罪などは被害を申告しにくいこともあり、被害の実態はもっと深刻なはず」と分析する。取り締まり強化に加え、フィルタリングの普及を呼びかけ、被害防止を図っていく方針だ。

 保護者や教師たちはどうみているのか。

 有害情報から子どもを守る活動に取り組む「ぐんま子どもセーフネット活動委員会」のメンバーで、前橋市に住む3児の母、小川真佐子さんは「フィルタリングをかければ安全というわけではない」と指摘する。現在提供されているフィルタリングでも、学校裏サイトなどにたどりつけるものがあるという。小川さんは「健全と認定されたサイトでも、子どもが加害者や被害者にならない保証はない」と危ぶむ。

 子どもの情報モラル教育に詳しい千葉県柏市立田中小の西田光昭教諭は、フィルタリングについて「本来は親もかかわったうえで、見てもよいサイトを個々に決められるシステムにすべきだ。まだ改善の余地がある」と指摘する。

 携帯電話は08年3月末現在、1億272万台が普及、このうち18歳未満は約750万台と推計されている。【遠山和彦、山本紀子】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080430-00000002-mai-soci