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2008年04月30日(水) 12時00分

ソフトウェア販売の新形態「SaaS(サース)」って何だ?R25

画像編集ソフトの定番『Photoshop』がオンラインで利用できるようになり、ネット上で話題を集めている。

たとえばYahoo!メールやGoogleカレンダーのように、ブラウザひとつで使用できるウェブアプリというのは少なくない。しかし、今回のオンラインサービス『Photoshop Express』(英語版)は、ユーザーが必要な機能だけを購入・利用できる「SaaS(Software as a Service:サース、またはサーズ)」という販売形態を採ったもので、従来のソフトの“売り方”とは一線を画している。

ソフトウェアビジネスにおいて近年注目される「SaaS」とは何か。その概要を、マイクロソフトの開発部門出身という経歴を持つテクニカルライター、井上孝司氏に解説してもらった。

「SaaSを一言でまとめると、ネットワークの向こう側にあるコンピュータ(サーバ)で動作するソフトウェアから、ユーザーが利用したい機能を購入してネットワーク越しに利用するもの、ですね。操作は手元のパソコンで行いますが、ウェブアプリ同様、ソフトウェアを手元のパソコンで動作させるのではありません。入力を受けて処理するのは、ネットワークの向こう側にいるSaaS事業者のコンピュータです。ユーザーは処理した結果をネットワーク経由で受け取り、手元のパソコンに表示することになります」

パソコンのソフトウェアはこれまで、店頭でCD-ROMのパッケージ製品を購入するか、あるいはオンラインでダウンロード購入するかのいずれかだった。しかし、この「SaaS」なら、ネットに接続できる環境にあれば、ユーザー側の用途に合わせて必要なときに必要な機能だけをチョイスして利用できるメリットがある。さらに、企業向けにSaaS販売されるグループウェアなどでは、個々のニーズに合わせて複数の機能を組み合わせて使うといった、SaaSならではのカスタマイズも可能なのだ。

今後、さらなる拡大が見込まれているSaaS市場。とりわけSaaS事業に積極的なNECでは、対企業向けサービスプラットホームの本格展開を視野に、2010年には1200億円規模の売り上げを見込んでいるというから、期待のほどがうかがえる。「SaaS」というソフトウェアの新しい販売形態は、IT関連ビジネスの要注目キーワードになりそうだ。
(R25編集部)

ソフトウェア販売の新形態「SaaS(サース)」って何だ?の詳細情報

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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