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2008年04月30日(水) 22時05分

硫化水素自殺 巻き添え回避は困難なのか?産経新聞

 硫化水素自殺で、発見者や周辺住民などが巻き添えになる“二次被害”が深刻化している。ガスの毒性が強い上、拡散の度合いが読めないなどの理由から、二次被害防止には決め手がないのが現状という。
 硫化水素ガスは一般に、「卵の腐ったような臭い」がするとされる。日本中毒情報センターによると、硫化水素は800〜1000ppmの高濃度では、一呼吸で即死する可能性もあるほど急激な中毒症状にかかる。このため、においを感じる前に巻き添えになるケースもあるという。
 ガスが無色で空気より重いために拡散しにくく、現場にかけつけた消防隊員が不調を訴えるケースもみられる。高知県内の住宅で起きた自殺では、発生現場の3階より階下にガスが拡散し被害が拡大した。二次被害のパターンは一定ではない。総務省消防庁は「現時点では早期の適切な避難が最善」としており、今月から全国の自治体に対し、十分な装備の消防隊と連携して住民の二次被害を防ぐよう通知している。

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