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2008年04月30日(水) 17時28分

トウモロコシ価格、バイオ燃料生産停止で20%下落へ=農産品調査会社ロイター

 [ワシントン 29日 ロイター] 農産品調査グループのインターナショナル・フード・ポリシー・リサーチ・インスティテュート(IFPRI)は29日、世界が穀物や油料種子を用いたバイオ燃料の生産を一時的に停止した場合、今後数年間で小麦やトウモロコシ価格は最大20%下落する可能性があるとの見方を示した。
 IFPRIを率いるJoachim von Braun氏は記者団に対し「われわれのモデル分析によると、2008年にバイオ燃料生産の一時停止措置が導入された場合、09─10年のトウモロコシ価格は約20%、小麦価格は約10%下落する」と述べた。
 世界が食品価格ショックに立ち向かうなか、米国など一部の諸国では、急拡大するバイオ燃料生産の役割に対する見解が割れている。
 開発途上国の多くでは、牛乳やパンなどの主要な食品のコスト高騰が社会の動揺を引き起こし、政治不安を強めている。
 米国のバイオ燃料支持者らは、エタノール批判を誤った行動と呼び、バイオ燃料技術を外国産原油への依存から脱却するために必要な代替手段だと指摘する。
 原油相場が過去最高の1バレル=120ドル付近まで上昇するような状況においては、バイオ技術は特に重要との認識だ。
 米食品価格は今年、最大5%の上昇が見込まれている。一方、米国のトウモロコシ生産の約4分の1は、エタノール生産に向けられる見通しだ。
 米ブッシュ政権は、エタノールではなく、エネルギーが最大の価格変動要因だと指摘。また、バイオ燃料はスイッチグラスなど代替源に大きく依存するようになるとの将来像を描いた。
 ブッシュ大統領は、「実際のところ、国益にかなうのは、不安定でわれわれと異なる国からのエネルギーの購入ではなく、われわれ自身によるエネルギーの育成だ」と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080430-00000894-reu-int