記事登録
2008年04月29日(火) 01時36分

<ススキノ火災>防火扉開けっ放し 警報ベル鳴らず?毎日新聞

 28日未明、札幌市中央区にあるススキノの風俗店「江戸城」で男女3人が死亡した火災で、札幌中央署と市消防局は同日、実況見分を行い、3階の備品置き場に置かれた冷蔵庫周辺の壁が特に激しく燃えていることが分かった。電気配線などが原因となる失火の可能性が高まっている。また、同店には熱感知器が設置されていたが、従業員や客は警報ベルを聞いておらず、同署は防火対策に不備があった可能性もあるとみて、業務上過失致死容疑の適用も視野に、関係者から事情を聴いている。

 調べでは、備品置き場の冷蔵庫の裏の壁が激しく燃えており、出火元とみられる。冷蔵庫の上には電子レンジが置かれ、ともに配線が伸びていた。他に火の気はなく、電気配線などが原因の失火の疑いが強まっている。

 また、亡くなった女性従業員(24)を司法解剖した結果、死因は一酸化炭素(CO)中毒と判明。他の2人の死因も同じとみて調べている。

 出火当時、店内には1階に男性店長(31)、2階に女性従業員1人、3階に亡くなった男性の同僚の男性客3人と女性従業員3人がおり、亡くなった3人はいずれも4階にある個室内で倒れていた。同店には各階に火災報知機や熱感知器が設置されていたものの、火災報知機を動かした者はおらず、熱感知器も作動しなかった疑いが出ている。このため、3人は火災発生に気付かなかったか、気付くのに遅れてCOを吸い込んでしまったとみられる。

 市消防局によると、昨年3、12月の消防法に基づく立ち入り検査で、同店4階の防火扉の近くに装飾品があり扉が閉められない状態だったため、改善を要請。しかし、同店から報告はなかったという。今回も扉は閉まっておらず、同署は同店の防火対策全般について、男性店長ら関係者から事情を聴いている。【坂井友子、佐藤心哉】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000005-mai-soci