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2008年04月29日(火) 00時00分

防げ硫化水素自殺県内で4件目読売新聞

県が薬店業界に注意
硫化水素で自殺したとみられる男性遺体が見つかった軽トラックを調べる捜査員(28日午前8時15分、盛岡市玉山区で)=山田正敏撮影

 全国で硫化水素による自殺が相次ぐ中、盛岡市でも28日、硫化水素で自殺したとみられる男性の遺体が見つかった。県内では、今月に入ってこれが4件目。県は同日、硫化水素による自殺は、二次被害の危険性もあるため、硫黄を含む商品を大量に購入しようとする人には使用目的を確認するなど、薬店の業界団体などに文書で注意を呼びかけた。

 28日午前6時30分ごろ、盛岡市玉山区川又の柳平水辺公園の駐車場に止めた軽トラックの運転席で、同市玉山区内に住む20歳代前半の無職男性が倒れているのが見つかった。

 盛岡東署などによると、車内からは洗剤のボトルや容器などが見つかり、車の窓には近付かないように注意する文面の紙がはられていた。男性は27日から行方がわからなくなっており、同署は男性が車内で硫化水素を発生させて自殺したとみている。

 県はこの日、県薬剤師会と薬店の業界団体に対し、硫黄を含む入浴剤を大量に購入する人には使用目的を確認し、目的がはっきりしなかったり、自殺が疑われたりする場合には、商品の販売を自粛するよう呼びかける文書を送った。

 県保健衛生課の藤原信明・食品薬務担当課長は「商品の販売自体に規制をかけるのは難しいが、店側に気を付けてもらうことで、少しでも同種の自殺を防げれば」と話す。

 一方、盛岡消防本部は管内の各消防署に対し、現場で異臭を確認した場合、酸素マスクを付けるなど救急隊員の安全を確保するとともに、周辺住民を迅速に避難させるよう指示を出した。

 

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20080429-OYT8T00077.htm