記事登録
2008年04月29日(火) 13時01分

ガソリン:値上げへ 駆け込み、途切れぬ給油客 大半「1日から30円」か /山梨毎日新聞

 3月31日に失効した揮発油(ガソリン)税などの暫定税率を復活する租税特別措置法改正案が30日に衆院で再可決、5月1日に施行される見通しとなり、県内でも駆け込み需要で、給油所を訪れる客が増加し始めた。失効時は約25円の値下げとなった1リットル当たりのガソリン代は、原油価格の高騰もあり30円程度引き上げられる見込み。大半の給油所が5月1日から値上げするとみられ、160円台が中心価格になりそうだ。【沢田勇】
 石油情報センターの調査によると、県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は、暫定税率の失効日(3月31日)で154・2円だったが、4月21日現在は131・8円と22・4円下がった。
 多くの給油所は、失効前の税率が課せられたガソリンを4月1日から値下げして販売し損失をかぶったほか、原油価格が4月1日以降で1バレル当たり20ドル近く上昇。このため、給油所は税率分に加え原油の値上がり分も転嫁するとみられる。県内に給油所4店を持つ中央産業(大月市、秋山達興社長)は、5月1日に約30円値上げすることを検討中。他社も追随するとみられる。
 同社経営の「キグナス国玉店」では、ゴールデンウイークに入ったことに加え、値上げを懸念する消費者の駆け込み給油が始まり、26日ごろから客が急増。28日も給油に来る車が絶えなかった。秋山社長によると、駆け込みのピークは29〜30日といい、失効時の混雑を上回れば在庫切れも予想されるという。
 甲府市伊勢、製造業、野尻秀夫さん(42)は「値下げはかなり助かったが、30円も値上げになったら家計を直撃する。車の利用を控えることも考えないと」と頭を抱えた。
 ◇保管用携行缶、売れ行き好調
 一方、ガソリンを保管するのに必要な金属製の専用携行缶(20リットル用2980円)の売れ行きが好調で、ホームセンター「くろがねや」(甲府市)では、4月の売れ行きが例年の1・5倍という。
 しかし、消防機関に届け出ずに自宅で保管できるガソリンは40リットル未満と定められており、秋山社長は「買いだめは混乱を避けるためにも冷静に判断してほしい」と話している。

4月29日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000071-mailo-l19